
*下記の日本語文書は参考のための仮翻訳で、正文は英文です。
2006年1月17日、国土安全保障省
9月11日の同時多発テロ事件以降、ブッシュ政権は米国への訪問者を歓迎しつつ、国境警備を強化するための数多くの変更を実施してきた。ここでの大きな2つの課題は、警備強化と旅行の促進との間の適正なバランスを保ちながら、最大限の効果を得るためにこうした変更のすべてを調和させることである。
国務省のコンドリーザ・ライス長官と国土安全保障省のマイケル・チャートフ長官は、これらの課題の解決に向けて協力してきた。その結果、現在および将来において、新しい技術を最大限に活用し最も有効なプロセスを含んだ解決策を策定する際に、指針の役割を果たす3つのパートから成るビジョンが打ち出された。この3つのビジョンは共同作業の円滑化と警備目標の達成を確保するものである。
パート1 技術および効率性の改善で、歓迎の精神を新たにする米国
米国は友好的な国であり、観光、留学、商用の目的で世界中の人々が来訪することを促進している。安全保障が最も重要な課題ではあるが、米国のこの歓迎の精神が旅行者の経験に反映されることを確実にし、国土の安全を確保する一方で、米国が商用、観光、留学を目的とする人々に門戸を開放していることを示す。米国の歓迎の精神を新たにするために現在次の措置が実施されている。
入国のモデル港 すべての訪問者にとって透明で友好的な入国手続きの確立。民間部門、州政府、地方政府とのパートナーシップにより、国家安全保障省と国務省は、外国からの訪問者にとって、より友好的な環境を確立するための試験的な「モデル空港」プログラムを導入する。ヒューストン空港とワシントン・ダレス空港における試験的なプロジェクトでは、入国手続きに役立つ情報を一般向けに作成されたビデオメッセージで伝え、国境の入国手続き審査を改善し、人の流れを円滑にし、入国許可後の外国人訪問者の支援などを行う。また、訪問者のビザ申請から米国到着に至るまでの過程について、改善されより分かりやすいプロセスを導入する。
商用・短期就労ビザ申請手続きの改善 米国の実業界にとって、その外国人社員、取引先、顧客のためのビザ申請手続きを円滑にすることの重要性を認識し、ビザ処理の迅速化のための企業登録など、国土安全保障省と国務省は新たな手続きをすでに開始している。また申請や予約をオンラインで行うための試験的プログラムを含む、商用その他の旅行者の米国入国を支援する追加措置を導入する予定である。
この目標を実施するために、国務省は「ビジネスビザ・センター」を設置し、旅行やイベントを予定している米国企業のために、ビザ申請手続きの円滑化を図っている。センターはすでに毎月、何百もの米国企業を支援しており、継続的な利用者のフィードバックに基づき、実業界のニーズをさらに満たすため、今後さらに改善を図る。
旅行者のビザ審査の予約待ち時間を短縮し、多くの在外公館で最善の慣行を構築するために、すべての米国大使館と領事館は、商用ビザの手続きを迅速に行うシステムを確立するとともに、100を超える国々で各地の米国商工会議所と緊密に協力し、善良な商用旅行者のためのビザ手続きの迅速化を図っている。
デジタル・テレビ会議テクノロジーの試験的利用 いくつかの国では、面接が受けられる唯一あるいは数少ない在外公館に、申請者が出向かなければならないことが障害となっている。デジタル・テレビ会議テクノロジーはこのようなビザ手続きの方法を変えるのに役立つかもしれない。英国やその他の国で実施されている試験的なプログラムは、ビザ手続き上の安全を確保しながら、そのような新しいアプローチの実施可能性を探ることになる。
民間部門とのパートナーシップの強化 国務省と国土安全保障省は諮問機関を活用し、旅行業界、経済界、学界に対し定期的かつ組織的なアウトリーチを行い、彼らの意見に配慮し、観光政策の策定のための最善の方法を特定し、海外からの米国への旅行を促進するよう協力を求める。この諮問機関は特定のイニシアティブに関するフィードバックを提供し、旅行の円滑化と安全に関連した画期的なプログラムのための確実な広報手段の役割を果たすことが求められる。
米国での学生および研究生活の促進 国土安全保障省と国務省は、外国人留学生の学生ビザの発給日と就学前の米国到着許可日の期間を拡大する。学生ビザは授業が始まる最大120日前(現行規則では90日)に発給され、45日前(現行規則では30日)から入国が許可される。1月初旬に国務省のライス長官と教育省のスペリング長官が、「国際教育に関する米国の大学学長サミット」を共催し、ブッシュ大統領も参加し挨拶を行った。サミットの期間中、両長官は国際教育の重要性を強調し、その強化のための新たなパートナーシップに米国の高等教育に携わる指導者たちの参加を促した。
パート2 21世紀の旅券
過去において、不正旅券が発覚することなく国境を越え移民法に違反する手段として利用されてきた。国際パートナーと緊密に協力しながら、国土安全保障省と国務省は、個人情報の保護と安心で安全な国際移動の迅速化のための最新技術を取り入れ、より信頼性が高い旅券を作成するための基準を世界が順守する道を模索してきた。このパート2の共同ビジョンでは、3つの分野における新機軸を組み合わせている。
Eパスポート デジタル写真付きの「機械読み取り式パスポート」の使用の増加は、安全性を高めると共に、入国港での待ち時間を延長することなく個人情報の盗難を防ぐ役割も果たしている。生体識別情報と個人情報を記録する非接触チップを組み込んだ、次世代の旅券である「Eパスポート」は、旅券の信頼性を確保するとともに、個人のプライバシーを保護しながらEパスポート保持者と、発給された旅券の受給者とが同一人物であることを確保し、国境警備をより一層強化する。国際基準に沿ったそうした旅券の発行に関して、米国は他の多くの国々と同様まだ準備段階であり、2006年末までにEパスポートへの移行を完了する予定である。
国境周辺住民のための安全でより安価なパスポートカード 国務省と国土安全保障省は、国境近くの地域に住み頻繁に国境を越える米国民に対し、従来のパスポートに替わる、安価で安全で生体識別情報を組み込んだパスポートカードを作成する。2006年後半から発行が予定されているこのカードは、「西半球旅行イニチアティブ」の法的要件を満たすものである。このイニシアティブは、米国入国を申請する者は米国民も含め誰でも、国籍を提示し身分証明書として利用できる信頼性のある渡航文書を提示することが求められる。パスポートカードの開発にあたり、米国はカナダおよびメキシコと緊密に協議を進めている。国土安全保障省と国務省は最終的には、米国のすべての入国地で旅行者が迅速かつ信頼できる旅行プログラムの恩恵を受けることができる基盤を提供する。FAST、NEXUS、SENTRIといった信頼性の高い既存の旅行プログラムに参加している人々は、引き続きこれらのプログラムの恩恵を受けることができる。
グローバル・エンロールメント・ネットワーク 国土安全保障省と国務省は、グローバル・エンロールメント・ネットワークを構築し、申請者との最初の接触が国土安全保障省あるいは国務省のどちらであっても、申請者からのデータ収集が一度ですむよう旅券の申請プロセスを調整する。必要に応じてこのデータは、旅行者の身元、国籍、国境における入国許可手続きの円滑化に役立つその他の情報を確認するために、国土安全省と国務省の両方の係官によって検討される場合がある。
パート3:よりスマートな審査
旅行者との接触場所が在外の大使館や領事館であろうと、あるいは米国の入国手続き地であろうと、政府の係官が科学技術を利用できるような審査プロセスに信頼が置かれる。この点についてもライス長官とチャートフ長官は一連の関連する進歩的なシステムの相乗効果とバランスを確保するために協力している。
US-VISITによる出入国システム US-VISITを通して、国土安全保障省の係官は、米国に入国する外国人を、犯罪、移民法違反、あるいはテロ関連の個人情報を含んだ統合データベースに照会し審査することができる。この新しいシステムを通じ国土安全保障省は、2004年1月から2005年12月までの間に4500万人を審査し、生体識別情報によってだけでも、970人以上の犯罪や移民法違反の前歴または疑いがある者の入国を阻止した。国土安全保障省は、入国空港・海港で旅行者を少しも待たせずにこの手続きを行い、かつての書類ベースによる手続きを自動化することで、陸上入国地の多くで手続き時間が大幅に短縮された。
旅行者到着前の「旅行情報」の収集と利用 9月11日の同時多発テロ事件の教訓のひとつとして、テロリスト容疑者の旅行方法に関する情報を利用する能力が大切であることを学んだ。そうした能力はテロリストたちの国際活動の展開能力を大幅に弱めることになるからである。この情報をよく理解し活用するために次のことを実施する。
· テロリスト審査センターは米国政府の全省庁のそれぞれが持つテロリスト警戒リストの情報を統合するセンターである。国土安全保障省、国務省、司法省、その他の省庁の職員が同一場所に配置され緊密に協力し、テロリスト発見のための審査を行う。このように革新的な方法は、米国に容易に入国できるというテロリストの自信を揺らがせることが、情報で確認されている。
· 人身密輸・人身売買センターもまた、人身密輸人、人身売買人、テロリストの渡航支援者に関する大量の情報を調査し、入手した情報を法執行機関の活動につなげる。このセンターは、こうした問題に関する外国政府との協力の中心的存在ともなる。
これらの新しい方法が現場で機能するのを助けるために、2つの省庁がテロリスト審査官の実施訓練の改善を行っている。国土安全保障省と国務省は、テロリストによる旅券の改ざんの形跡を発見するための訓練を引き続き実施する。
国土安全保障省と国務省のリアルタイムな情報共有 連邦政府全体の協力体制にとって重大な課題は、各省庁がそれぞれの目的で収集したさまざまなデータの統合である。国務省と国土安全保障省はこの技術的障壁を取り除くために努力している。現在、国務省の係官は、不適格な外国人や不正行為の発見、およびビザ処理の効率性や安全性の改善などに役立つ情報へのアクセスが可能である。同様に、発給されたすべてのビザに関するリアルタイムに近いデータは入国地の税関・国境警備担当官に直接送られるので、米国に入国するすべての旅行者の電子ファイルの比較が可能となる。このような情報の共有はすべてプライバシーの権利と市民の自由に合致した方法で実施される。
これらの改善は「ペーパーレス」ビザ申請手続きを可能にするものである。またビザ情報の電子的な収集により審査システムはさらに強化される。国務省は2006年12月までに完全に電子化されたビザ申請の試験導入を実施し情報の収集と利用の拡大を図る。さらに、国務省と国土安全保障省は、国土安全保障省の係官がビザ、パスポート、生体識別情報に電子的アクセスできる「ペーパレス」ビザシステムをテストするための試験的なプロジェクトを共同で実施する。
一旦データの共有が可能になれば、2つの省庁間でデータの取り扱いについて調整しなければならない。共同ビジョンのひとつは情報審査の調整を図ることである。国土安全保障省と国務省は他の主要省庁の協力を得ながら、すべての審査場所における審査の一貫性を図るために審査基準の標準化を2006年末までに、また、審査官が多数の異なるシステムから入手するデータを統一するためにネットワーク上の情報センターの設置を2007年末までに行う予定である。
旅行者のための「ワン・ストップ」訂正 間違いも時には起こる。旅行者にはそのような間違いを是正するためのより簡単な手段が必要である。従って国土安全保障省と国務省は、旅行者が誤って追加手続きを求められた場合に対処するため、今後政府全体の旅行者審査の訂正手順の確立が急務となる。
共通した考えを持つ外国政府とのデータの集積 米国の制度とデータが改善されるに従い、国務省と国土安全保障省はこれらのイニシアティブを世界に拡大して行かねばならない。警戒リスト、生体識別情報、紛失や盗難されたパスポートの情報等の総合的な情報交換を他国と行うための外交努力を続けると共に、これらの情報を有効利用するための能力を高める。この外交努力の中心的課題のひとつは、データの収集・共有方法におけるプライバシー保護のための共通したアプローチを開発することである。
ファクトシート:情報化時代における国境の安全と門戸開放
2006年1月17日、国土安全保障省
9月11日の同時多発テロ事件以降、ブッシュ政権は米国への訪問者を歓迎しつつ、国境警備を強化するための数多くの変更を実施してきた。ここでの大きな2つの課題は、警備強化と旅行の促進との間の適正なバランスを保ちながら、最大限の効果を得るためにこうした変更のすべてを調和させることである。
国務省のコンドリーザ・ライス長官と国土安全保障省のマイケル・チャートフ長官は、これらの課題の解決に向けて協力してきた。その結果、現在および将来において、新しい技術を最大限に活用し最も有効なプロセスを含んだ解決策を策定する際に、指針の役割を果たす3つのパートから成るビジョンが打ち出された。この3つのビジョンは共同作業の円滑化と警備目標の達成を確保するものである。
パート1 技術および効率性の改善で、歓迎の精神を新たにする米国
米国は友好的な国であり、観光、留学、商用の目的で世界中の人々が来訪することを促進している。安全保障が最も重要な課題ではあるが、米国のこの歓迎の精神が旅行者の経験に反映されることを確実にし、国土の安全を確保する一方で、米国が商用、観光、留学を目的とする人々に門戸を開放していることを示す。米国の歓迎の精神を新たにするために現在次の措置が実施されている。
入国のモデル港 すべての訪問者にとって透明で友好的な入国手続きの確立。民間部門、州政府、地方政府とのパートナーシップにより、国家安全保障省と国務省は、外国からの訪問者にとって、より友好的な環境を確立するための試験的な「モデル空港」プログラムを導入する。ヒューストン空港とワシントン・ダレス空港における試験的なプロジェクトでは、入国手続きに役立つ情報を一般向けに作成されたビデオメッセージで伝え、国境の入国手続き審査を改善し、人の流れを円滑にし、入国許可後の外国人訪問者の支援などを行う。また、訪問者のビザ申請から米国到着に至るまでの過程について、改善されより分かりやすいプロセスを導入する。
商用・短期就労ビザ申請手続きの改善 米国の実業界にとって、その外国人社員、取引先、顧客のためのビザ申請手続きを円滑にすることの重要性を認識し、ビザ処理の迅速化のための企業登録など、国土安全保障省と国務省は新たな手続きをすでに開始している。また申請や予約をオンラインで行うための試験的プログラムを含む、商用その他の旅行者の米国入国を支援する追加措置を導入する予定である。
この目標を実施するために、国務省は「ビジネスビザ・センター」を設置し、旅行やイベントを予定している米国企業のために、ビザ申請手続きの円滑化を図っている。センターはすでに毎月、何百もの米国企業を支援しており、継続的な利用者のフィードバックに基づき、実業界のニーズをさらに満たすため、今後さらに改善を図る。
旅行者のビザ審査の予約待ち時間を短縮し、多くの在外公館で最善の慣行を構築するために、すべての米国大使館と領事館は、商用ビザの手続きを迅速に行うシステムを確立するとともに、100を超える国々で各地の米国商工会議所と緊密に協力し、善良な商用旅行者のためのビザ手続きの迅速化を図っている。
デジタル・テレビ会議テクノロジーの試験的利用 いくつかの国では、面接が受けられる唯一あるいは数少ない在外公館に、申請者が出向かなければならないことが障害となっている。デジタル・テレビ会議テクノロジーはこのようなビザ手続きの方法を変えるのに役立つかもしれない。英国やその他の国で実施されている試験的なプログラムは、ビザ手続き上の安全を確保しながら、そのような新しいアプローチの実施可能性を探ることになる。
民間部門とのパートナーシップの強化 国務省と国土安全保障省は諮問機関を活用し、旅行業界、経済界、学界に対し定期的かつ組織的なアウトリーチを行い、彼らの意見に配慮し、観光政策の策定のための最善の方法を特定し、海外からの米国への旅行を促進するよう協力を求める。この諮問機関は特定のイニシアティブに関するフィードバックを提供し、旅行の円滑化と安全に関連した画期的なプログラムのための確実な広報手段の役割を果たすことが求められる。
米国での学生および研究生活の促進 国土安全保障省と国務省は、外国人留学生の学生ビザの発給日と就学前の米国到着許可日の期間を拡大する。学生ビザは授業が始まる最大120日前(現行規則では90日)に発給され、45日前(現行規則では30日)から入国が許可される。1月初旬に国務省のライス長官と教育省のスペリング長官が、「国際教育に関する米国の大学学長サミット」を共催し、ブッシュ大統領も参加し挨拶を行った。サミットの期間中、両長官は国際教育の重要性を強調し、その強化のための新たなパートナーシップに米国の高等教育に携わる指導者たちの参加を促した。
パート2 21世紀の旅券
過去において、不正旅券が発覚することなく国境を越え移民法に違反する手段として利用されてきた。国際パートナーと緊密に協力しながら、国土安全保障省と国務省は、個人情報の保護と安心で安全な国際移動の迅速化のための最新技術を取り入れ、より信頼性が高い旅券を作成するための基準を世界が順守する道を模索してきた。このパート2の共同ビジョンでは、3つの分野における新機軸を組み合わせている。
Eパスポート デジタル写真付きの「機械読み取り式パスポート」の使用の増加は、安全性を高めると共に、入国港での待ち時間を延長することなく個人情報の盗難を防ぐ役割も果たしている。生体識別情報と個人情報を記録する非接触チップを組み込んだ、次世代の旅券である「Eパスポート」は、旅券の信頼性を確保するとともに、個人のプライバシーを保護しながらEパスポート保持者と、発給された旅券の受給者とが同一人物であることを確保し、国境警備をより一層強化する。国際基準に沿ったそうした旅券の発行に関して、米国は他の多くの国々と同様まだ準備段階であり、2006年末までにEパスポートへの移行を完了する予定である。
国境周辺住民のための安全でより安価なパスポートカード 国務省と国土安全保障省は、国境近くの地域に住み頻繁に国境を越える米国民に対し、従来のパスポートに替わる、安価で安全で生体識別情報を組み込んだパスポートカードを作成する。2006年後半から発行が予定されているこのカードは、「西半球旅行イニチアティブ」の法的要件を満たすものである。このイニシアティブは、米国入国を申請する者は米国民も含め誰でも、国籍を提示し身分証明書として利用できる信頼性のある渡航文書を提示することが求められる。パスポートカードの開発にあたり、米国はカナダおよびメキシコと緊密に協議を進めている。国土安全保障省と国務省は最終的には、米国のすべての入国地で旅行者が迅速かつ信頼できる旅行プログラムの恩恵を受けることができる基盤を提供する。FAST、NEXUS、SENTRIといった信頼性の高い既存の旅行プログラムに参加している人々は、引き続きこれらのプログラムの恩恵を受けることができる。
グローバル・エンロールメント・ネットワーク 国土安全保障省と国務省は、グローバル・エンロールメント・ネットワークを構築し、申請者との最初の接触が国土安全保障省あるいは国務省のどちらであっても、申請者からのデータ収集が一度ですむよう旅券の申請プロセスを調整する。必要に応じてこのデータは、旅行者の身元、国籍、国境における入国許可手続きの円滑化に役立つその他の情報を確認するために、国土安全省と国務省の両方の係官によって検討される場合がある。
パート3:よりスマートな審査
旅行者との接触場所が在外の大使館や領事館であろうと、あるいは米国の入国手続き地であろうと、政府の係官が科学技術を利用できるような審査プロセスに信頼が置かれる。この点についてもライス長官とチャートフ長官は一連の関連する進歩的なシステムの相乗効果とバランスを確保するために協力している。
US-VISITによる出入国システム US-VISITを通して、国土安全保障省の係官は、米国に入国する外国人を、犯罪、移民法違反、あるいはテロ関連の個人情報を含んだ統合データベースに照会し審査することができる。この新しいシステムを通じ国土安全保障省は、2004年1月から2005年12月までの間に4500万人を審査し、生体識別情報によってだけでも、970人以上の犯罪や移民法違反の前歴または疑いがある者の入国を阻止した。国土安全保障省は、入国空港・海港で旅行者を少しも待たせずにこの手続きを行い、かつての書類ベースによる手続きを自動化することで、陸上入国地の多くで手続き時間が大幅に短縮された。
旅行者到着前の「旅行情報」の収集と利用 9月11日の同時多発テロ事件の教訓のひとつとして、テロリスト容疑者の旅行方法に関する情報を利用する能力が大切であることを学んだ。そうした能力はテロリストたちの国際活動の展開能力を大幅に弱めることになるからである。この情報をよく理解し活用するために次のことを実施する。
· テロリスト審査センターは米国政府の全省庁のそれぞれが持つテロリスト警戒リストの情報を統合するセンターである。国土安全保障省、国務省、司法省、その他の省庁の職員が同一場所に配置され緊密に協力し、テロリスト発見のための審査を行う。このように革新的な方法は、米国に容易に入国できるというテロリストの自信を揺らがせることが、情報で確認されている。
· 人身密輸・人身売買センターもまた、人身密輸人、人身売買人、テロリストの渡航支援者に関する大量の情報を調査し、入手した情報を法執行機関の活動につなげる。このセンターは、こうした問題に関する外国政府との協力の中心的存在ともなる。
これらの新しい方法が現場で機能するのを助けるために、2つの省庁がテロリスト審査官の実施訓練の改善を行っている。国土安全保障省と国務省は、テロリストによる旅券の改ざんの形跡を発見するための訓練を引き続き実施する。
国土安全保障省と国務省のリアルタイムな情報共有 連邦政府全体の協力体制にとって重大な課題は、各省庁がそれぞれの目的で収集したさまざまなデータの統合である。国務省と国土安全保障省はこの技術的障壁を取り除くために努力している。現在、国務省の係官は、不適格な外国人や不正行為の発見、およびビザ処理の効率性や安全性の改善などに役立つ情報へのアクセスが可能である。同様に、発給されたすべてのビザに関するリアルタイムに近いデータは入国地の税関・国境警備担当官に直接送られるので、米国に入国するすべての旅行者の電子ファイルの比較が可能となる。このような情報の共有はすべてプライバシーの権利と市民の自由に合致した方法で実施される。
これらの改善は「ペーパーレス」ビザ申請手続きを可能にするものである。またビザ情報の電子的な収集により審査システムはさらに強化される。国務省は2006年12月までに完全に電子化されたビザ申請の試験導入を実施し情報の収集と利用の拡大を図る。さらに、国務省と国土安全保障省は、国土安全保障省の係官がビザ、パスポート、生体識別情報に電子的アクセスできる「ペーパレス」ビザシステムをテストするための試験的なプロジェクトを共同で実施する。
一旦データの共有が可能になれば、2つの省庁間でデータの取り扱いについて調整しなければならない。共同ビジョンのひとつは情報審査の調整を図ることである。国土安全保障省と国務省は他の主要省庁の協力を得ながら、すべての審査場所における審査の一貫性を図るために審査基準の標準化を2006年末までに、また、審査官が多数の異なるシステムから入手するデータを統一するためにネットワーク上の情報センターの設置を2007年末までに行う予定である。
旅行者のための「ワン・ストップ」訂正 間違いも時には起こる。旅行者にはそのような間違いを是正するためのより簡単な手段が必要である。従って国土安全保障省と国務省は、旅行者が誤って追加手続きを求められた場合に対処するため、今後政府全体の旅行者審査の訂正手順の確立が急務となる。
共通した考えを持つ外国政府とのデータの集積 米国の制度とデータが改善されるに従い、国務省と国土安全保障省はこれらのイニシアティブを世界に拡大して行かねばならない。警戒リスト、生体識別情報、紛失や盗難されたパスポートの情報等の総合的な情報交換を他国と行うための外交努力を続けると共に、これらの情報を有効利用するための能力を高める。この外交努力の中心的課題のひとつは、データの収集・共有方法におけるプライバシー保護のための共通したアプローチを開発することである。


駐日米国大使