
2005年7月1日
(仮訳)
米国政府は、総務省が発表した1.7GHz及び2GHzの周波数帯の無線局免許を利用したサービスを展開するに当たり、考慮するべき技術的要件を記した指針案に対して次の意見を述べる機会を与えられたことに感謝致します。
米国政府は総務省の次世代ワイヤレスサービスが利用可能な周波数帯域を増やす決定を歓迎すると共に、新規事業者の参入促進を優先する大胆な決断を賞賛します。しかしながら米国政府は、使用可能な技術を国際電気通信連合において既に国際標準とされたものに限定すると言う指針案の内容が、新しく革新的な技術の導入を希望する新規事業者の参入を阻止する可能性について警告します。その結果、総務省の指針案は意図しないにも関わらず競争を抑制してしまう場合があります。
総務省が2005年4月26日 1 に発表した移動体通信分野の競争状況評価の中で、日本の携帯電話市場の92%以上をNTTドコモ、KDDIそしてボーダーフォンが占有している事から、同省はこの市場を寡占市場と表現するのが適当であるとしています。米国政府が2004年10月の日米規制改革および競争政策イニシアティブに基づく日本国政府への要望書に記載した通り、他国のより競争の激しい市場と比較して、日本では料金が高く、且つネットワーク利用状況が低いのは、この高度に集中した市場の結果かもしれません。
総務省のこの様な研究結果に基づき、両周波数帯における免許要件の設定に際し、新規事業者の市場参入によって競争状況を促進しようとする総務省の意図を米国政府は支持します。免許の技術的要件という観点から米国政府はサービス提供者に、技術に関する最大限の選択の自由を付与することがこのような政策の重要な要素と考えます。革新的な技術を使用する自由は新規事業者にとって効果的な競争戦略となり、選択の豊富さ、価格の面で消費者に幅広い利益をもたらす可能性があります。それ故、競争を更に促進するために、免許要件はこのような戦略を除外するべきではなく、新規参入に課す技術的要件は可能な限り技術的に中立であるべきです。
総務省は先に米国政府関係者と2.0GHz帯について議論した中で、国際電気通信連合がIMT-2000サービス用に特定した周波数帯に関しては同連合においてIMT-2000の国際標準と認定した技術のみを使用するべきと示唆しました。米国政府は国際電気通信連合及び他の国際標準化機関が進める標準化のプロセスを支持する一方で、日本がIMT-2000技術に限定する事なく、むしろ周波数の用途については柔軟に対応し、移動体通信サービスの提供者がサービスを展開するに当たって使用する適当な技術をより柔軟に選択できるような政策を採択するよう日本国政府に提言します。
総務省は、限られた周波数帯の割り当てを競合する応募者にオークションで決めるというような中立な手段を使用しないため、サービスの技術的な範囲を限定することで応募者数を減らし、競合する技術の評価の必要性を削減したいと思うであろう事は理解できます。官僚的な観点からは目的にかなっているとは思いますが、総務省がこの様な政策を採ることにより、一般消費者、サービス提供者、装置メーカーに対して不当な仕打ちになり兼ねず、国際通商協定上の義務に違反する可能性もあります。
総務省が望むビューティーコンテスト方式による免許割当ての判断はいずれも独断的且つ/或いは差別的であるとして問題視される危険性が高まっています。技術に関する決定への批判を避ける為にも(特定の技術を不当に奨励、認可、優遇する事のないようにする事で)技術的中立性の原則を厳格に遂行することが総務省にとって望ましいでしょう。この方法にはジレンマがあります:技術的性能の実績や市場評価が確立されていない技術を客観的に評価するよう規制当局に期待する事はできません。しかしながら一方でそのような技術に競合する機会を与える事が、革新が真に起こり得る唯一の方法なのです。
要約すれば、競争と革新を促進し、規制が独断的且つ/或いは差別的であるとする苦情が発生する可能性を避ける最善策は、周波数帯の割り当てを判断する際に、技術要件を極力少なくする事です。しかるに、米国政府は総務省に対し、免許の技術的要件を特定の国際標準に基づくものではなく、むしろ電波干渉の防止や周波数帯の最も効率的な割り当て等、真に中立な技術的条件に焦点をあてて指針案を修正するよう要求します。
1 http://www.soumu.go.jp/s-news/2005/050426_3.html


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