embassy seal
U.S. Dept. of State
flag graphic
 

*下記の日本語文書は参考のための仮翻訳で、正文は英文です。

拡散安全保障イニシアティブ(PSI)に関するFAQ

ファクトシート

米国国務省拡散防止局

ワシントンDC

2005年1月11日

 拡散安全保障イニシアティブ(PSI)とは何か。

 大量破壊兵器(WMD)、その運搬手段および関連物資は、世界の安定、安全保障、および平和に対する根源的な脅威である。2002年12月に、米国は、「大量破壊兵器に対する国家戦略」を発表した。これは、こうした兵器が敵対的な国家やテロリストの手に渡ることの脅威に対抗する、包括的なアプローチを要請したものである。

 こうした枠組みの中で、ブッシュ大統領は2003年5月31日、「拡散安全保障イニシアティブ(PSI)」を発表した。これは、大量破壊兵器、その運搬手段および関連物資の陸上・海上・航空輸送が、拡散懸念国との間で行われることを防止する活動を強化し拡大するための活動である。

 このイニシアティブは、世界的な拡散の問題に対する、より動的かつ積極的なアプローチの必要性を反映している。また、拡散者が、輸出管理執行措置を妨害する技術を利用し、極めて積極的に大量破壊兵器を追求している現実を反映するものである。

 PSIは、各国家が協力し、各自の能力を発揮して、法律、外交、経済、軍事、その他の手段によって、大量破壊兵器等の輸送を阻止するためのパートナーシップの構想である。

 PSIのための「阻止原則宣言」は誰が決めたのか。

 「阻止原則宣言」は、2003年9月4日に、PSIの創設諸国が合意したものである。われわれは、阻止原則宣言は各国が支持すべき明快な原則であると信じている。そして、事実、全世界の反応は、このことを裏付けている。

 そうでなければ、実際問題として、PSIをこれほど迅速に、かつ関連諸国がすべて関与する形で発展させることは不可能であった。

 阻止原則は合意されたものの、PSIは動的な構想である。この原則には反映されていないが、より強力で効果的な構想に貢献するようなアイデアを持つ諸国があれば、われわれはそれを歓迎する。このように、PSIは、拡散阻止活動の支持を望むすべての国家からの貢献に対して開かれた構想である。

 PSIの創設諸国はどのように選ばれたのか。

 当初の創設11カ国は、いずれも、拡散防止に対する強力な支持を示し、活発な阻止活動をはじめとする拡散防止活動に関与してきているとともに、拡散経路との関連で地理的に重要な位置にある諸国である。構想の着手に際して、少数の国家が関与することが、効率的かつ生産的な結果につながった。

 PSI「加盟」の基準は何か。(すなわち、拡散防止体制外の国家も加盟できるのか。)

 PSIは、「加盟国」から成る組織ではない。PSIとは、世界中の諸国が、大量破壊兵器,その運搬手段および関連物資の輸送を防止する活動において、より緊密に協力し連携する活動である。

 米国は、PSIに対するあらゆる国家の支持を歓迎し、特に、旗国、沿岸国、積み替え国、あるいは領空を疑わしい航空機が通過する可能性の高い国で、そうした輸送の防止に特に重要な役割を果たす可能性のある国家の支持を歓迎する。

 米国は、他の諸国に何を期待するのか。

 米国は、他の諸国がPSIを支持すること、また、大量破壊兵器,その運搬手段および関連物資が、拡散懸念国家または非国家主体との間で輸送されることを阻止し停止するための、より積極的、計画的な措置を支持することを希望する。

 米国は、他の諸国が阻止原則宣言を支持することを求めるとともに、そうした諸国がどのように貢献するのか、また今後の構想の運営にどのように貢献できるのかについて、見解を求める。

 米国は、阻止原則宣言で概説されている諸措置をとるために必要な法的権限を持つ国家に対しては、PSIへの支持と阻止活動への協力に同意することを希望する。また、必要な法的権限の一部またはすべてが欠如している国家に対しては、阻止活動を支援できるように国家の法的権限を改善する措置をとることを希望する。

 米国は、運営または情報に関連して、阻止活動に貢献できる能力を持つ国家が、その能力を活用してPSIを支持することを望む。

 最終的には、米国は、諸国が阻止活動に際して協力するための実際的な基盤を確立することを望んでいる。ある国家がPSIに対する関心を表明しても、その国の援助が必要となるような状況が出現しないため、その国に阻止支援活動が要請されないことも考えられる。しかしながら、どの国家も、拡散の懸念される輸送の防止に貢献できる場合に備えて、迅速かつ効果的な行動をとる準備を整えておくべきである。

 PSIに対する関心を表明するにはどのような措置をとればよいのか。また、関心を表明することによって、PSIの会合に招待されることになるのか。

 PSIと阻止原則宣言を支持する諸国は、その旨を公式に表明することが望ましい。効果的な貢献をする能力があり、PSIの活動への参加に関心のある諸国も、その旨を周知させるべきである。PSIの発足以来、60カ国以上が支持を表明している。

 われわれは、PSIの会合に重きを置くよりも、PSIを、国家間の具体的、実際的な協力と協調に基づく一連の活動と見なすことを奨励している。

 各国は、どのように阻止原則宣言を支持すべきか。

 PSIの阻止原則宣言に対する明確な支持を表明する手段として望ましいのは、外交覚書あるいはその他の公式文書であり、さらに可能であれば、これに伴い、支持を表明する公式声明が発表されることが望ましい。外国政府関係者が、まず公式あるいは非公式に、PSIと阻止原則宣言を支持する発言をした例もいくつかあるが、できれば、こうした口頭の声明に続いて、文書による声明が発表されるべきである。

 PSIに貢献するために、国家はどのような措置をとることができるのか。

 国家は、以下のような措置をとることが望ましい。

* PSIと阻止原則宣言について、できれば正式に確約し、公式に支持を表明する。そしてPSI活動を支持するためにとることのできるあらゆる措置をとる意志を明らかにする。

* 海上、航空、あるいは陸上において阻止活動を行う、国家の現行の権限を見直し、それに関する情報を提供する。必要に応じて権限を強化する意志を表明する。

* PSI活動に貢献できる可能性のある国家の能力を具体的に挙げる(例えば、情報の共有、軍事・法執行能力など)。

* PSIによる阻止活動の要請やその他の活動に関する連絡先を提供する。PSIのための対応を調整する政府内の適切な手順を確立する。

* PSIの阻止活動訓練、および必要が生じた場合には、実際のPSI活動に、進んで参加する。

* 関連する協定(乗船協定など)の締結の検討、あるいはその他の手段(領空通航の拒否に関する「了解覚書」など)によりPSI活動への協力の具体的な基盤を確立することを、進んで実行する。

 これらの措置を考慮した上で、われわれはすべての国家が同等のレベルで、PSIの活動、訓練、あるいは会合に参加することを期待はしない。しかし、われわれは、PSIに真剣に取り組もうとする国家が、それぞれの能力と力を慎重に評価し、可能な範囲で、このイニシアティブの構築に対する支持を提供することを期待する。

 PSIは、合法的な軍民両用の通商にも影響を及ぼすのか。

 PSIは、軍民両用か否かを問わず、合法的な通商を対象とするものではない。PSIの対象は、拡散懸念国家または非国家主体による、大量破壊兵器、その運搬手段、または関連物資の輸送活動である。輸送品の最終使用目的が拡散懸念を伴うとの十分な情報を得た場合は、その輸送を阻止すべく努力をする。

 PSIは、拡散計画に使用されるかもしれない物品に関わる可能性のあるすべての輸送を停止、検査することを目指すものではない。われわれの意図は、拡散懸念国家または非国家主体を目的地とすると確信できる輸送について、確実な情報に基づいて行動をとることである。合法的な軍民両用の通商がPSIの影響を受けることはめったにない。

 「拡散懸念国家」の定義は何か。拡散防止体制に参加しない国家は、自動的に拡散懸念国家となるのか。

 PSI阻止原則宣言の第1節に、「拡散懸念国家・非国家主体」の定義が述べられている。それによると、「拡散懸念国家・非国家主体」とは、一般的に、(1)化学、生物、または核兵器、およびそれらの運搬手段の開発または獲得への努力、または(2)大量破壊兵器、その運搬手段、または関連物資の移転(売却、受領、または促進)を通じ、拡散に従事しているとして、PSI参加国が阻止対象とすべきと確定する国家または非国家主体を指す。

 われわれは、PSIにおける「拡散懸念国家」の定義としては、これで必要十分であると考える。

 ある国家が多国間の拡散防止条約あるいは拡散防止体制に加盟しているか、または従っているか、ということは、その国家が「拡散懸念国家」であるかどうかを判断する基準とはならない。

 PSIは、コンテナ安全保障イニシアティブ(CSI)とどのように合致するのか。

 PSIとCSIは、いずれも、問題のある貨物の輸送を防止する能力の強化を目指すものであり、相互に補完的な関係にある。しかし、CSIの対象は、米国に向けて輸送される海上貨物に限られる。PSIは、世界中の海上、航空、および陸上輸送の貨物を対象とする。CSIは、主な港湾で、貨物コンテナを検査し問題のある貨物が積まれていないことを確認する能力を確保することに重点を置いている。PSIの活動には、港湾に到着した貨物だけでなく、輸送中の貨物に対する措置も含まれる。

 PSIは、麻薬対策など、他の「阻止」活動に、どのように関連するのか。

 麻薬密輸防止など、その他の分野における活動で、PSIの活動にも役立つ可能性のある手順が開発されている場合、それをPSIにどのように適用できるかを検討中である。

 PSIと、ミサイル関連技術輸出規制(MTCR)、化学兵器禁止機関(OPCW)、核不拡散条約(NPT)など正式な拡散防止体制との関係は?

 PSIは、活動であり、組織ではない。PSIの活動は、国内法および国際法の枠組みに沿ったものであり、こうした法の枠組みの多くは、既存の拡散防止体制を導入している。

 例えば、PSIは、既存の拡散防止輸出規制を基盤として、拡散懸念のある大量破壊兵器・ミサイル計画への特定の物資の輸出を発見し防止する。PSIは、不拡散条約も含め、確立されている国内法・国際法を補完し、その枠内で活動することを目指すものである。

 PSIは、その他の不拡散条約や体制とはどのような関係にあるのか。

 不拡散条約、多国間輸出規制体制、国家による輸出規制・執行措置など、 拡散防止の手段は豊富にそろっている。

 PSIは、こうした既存の手段を基盤として、大量破壊兵器、その運搬手段および関連物資の拡散を防止する。PSIは、他の拡散防止メカニズムに代わるものではなく、それらを強化し補完するものである。

 PSIと、国際連合などの国際組織は、どのような関係にあるのか。

 PSIは、本部や予算を持つ正式な組織ではなく、阻止を目的とする関係諸国間のパートナーシップの集合であり、こうした諸国が、それぞれの国の法的権限と枠組みに従った措置をとるものである。

 PSIの活動は、他のフォーラムの活動から情報を得ることもあるが、PSIの阻止原則宣言は、国連その他の多国間または国際機関との正式な協力のメカニズムを確立するものではない。

 しかしながら、国連ハイレベル委員会が、2004年12月の事務総長への報告書で、PSIについて、「すべての国家は、この自主構想に参加することを奨励されるべきである」と述べていることは注目に値する。

 国連との調整の正式なメカニズムが確立されるのか。

 PSIの活動は、各国がそれぞれの国家の法的権限に従って実施するものであり、われわれは、国連との定期的な調整のための正式なメカニズムを新たに作る必要性は感じていない。とは言え、国連のような国際機関に、PSIの動向を報告することは有用であると考える。言うまでもなく、各国が、それぞれの行動について適切な情報を国連またはその他の国際機関に報告する必要性を感じたならば、報告することができる。

 国連安全保障理事会のテロに関する決議を、PSIの活動の国際的な法的根拠とする意図があるのか。

 PSIの阻止原則宣言には、諸活動は、国家の法的権限および関連する国際法および国際的な枠組みに従って実施される、と述べられている。ある活動が国連安保理決議によって承認されている場合、PSI参加国が、当該の決議を阻止活動への参加の根拠とすることができる。

 PSIへの参加は自主的なものである。ある国家が、特定の活動を実施する法的権限を持たないと判断した場合は、参加を辞退することができる。

 PSI阻止原則宣言と、国連安保理決議1540とはどのような関係にあるのか。

 国連安保理決議1540とPSIの阻止原則宣言は、相互に強化し合うものであり、法的にも政治的にも相互に合致する。

 2004年4月に満場一致で採択された国連安保理決議1540は、大量破壊兵器が世界の平和と安全保障に及ぼす脅威を認識し、諸国がその脅威に対抗するためにとることのできる具体的な措置を述べたものである。

 そうした措置のひとつとして、安保理決議1540の第10項では、すべての国家が、各国の法的権限および立法ならびに国際法に従って、これらの兵器、その運搬手段および関連物資の不法取引を停止、阻止、遮断、あるいはその他の手段で防止するための協力措置をとることを要請している。

 PSIとその阻止宣言原則は、安保理決議1540で要請されているような協力を実現するための措置を明らかにしている。従って、PSIは、この安保理決議と完全に合致している。

 また、安保理決議1540は、国連憲章第7章に従い、すべての国家が、国境、輸出、積み替え、エンドユーザーおよび核物質防護の効果的な管理を展開することによって拡散を防止することを定めているが、これは阻止宣言原則に合致するだけでなく、「必要に応じて、関連する国内法・・・(および)国際法や国際的枠組みを見直すとともにその強化の努力をすることによって、これらのコミットメントを支持する」という、阻止宣言原則の各国への呼びかけを支持するものである。

 核保有国、非保有国を問わず、NPT加盟国が、NPTによる確約に反することなく、核物資を押収することが可能なのか。

 可能である。NPT加盟国は、適切な状況下では、核物資の押収活動に参加することができる。PSIの活動の一環として、他のパートナーが、技術、安全保障、あるいは法律上の援助を提供する場合もある。言うまでもなく、それらの国家は、核物資の処理または保護に関して、NPTの下での義務を果たす必要がある。

 阻止活動に関して、どのような法的権限が存在するのか。

 PSIの活動は、各国の既存の法的権限および国際法や国際的枠組みに従うものとなる。

 沿岸国家による領海での措置や、旗国が公海上の自国籍船舶に対してとる措置に関する法的権限など、阻止の実行に関してはすでに多くの権限が存在する。また、言うまでもなく、国家がその領土・領海に関連してとる措置に関しては、国際法に基づく権限が存在する。

 各国の国内法の下でも、PSIの目標達成のために適用できるさまざまな権限がある。例えば米国の場合、米国輸出管理法の「キャッチオール規則」は、大量破壊兵器、その運搬手段および関連物資が、米国から拡散懸念のあるエンドユーザーまたは最終使用目的に向けて輸送される場合には、米国の国内法に基づき、米国がそうした輸送を停止し防止するための根拠となり得る。

 事実、PSIは、国家の輸出管理および法執行機関が大きな役割を果たすことを予測している。国家の拡散防止能力の出発点は、その国家の法的権限、そしてその権限を執行する能力である。

 既存の法律に対してどのような改正が検討されているのか。

 われわれはまず、阻止活動に関して、各国が現在どのような国際的な権限および集合的な国内の権限を与えられているかを明らかにしようとしている。これによって、PSIの目標を支援するためには、どのような措置が有用であるか、またそれをどのように実施するかを、より正確に評価することができる。また、現行法の枠組み内でとることのできる措置を確認する作業も行っている。その一例が、旗国との間で検討している乗船協定で、これは必要に応じて大量破壊兵器関連物品の流れを阻止する活動の法的根拠を強化するものとなる。

 一部の諸国は、PSIへのわれわれのアプローチに対応し、PSIに対する支持を強化するためにそれぞれの国家的な法的権限の改正を追求することを、すでに表明している。われわれは、そうした措置を奨励するものであり、拡散防止活動を支持するために法律を強化する国家を援助する用意がある。

 PSIは、参加諸国による国際法の実施に変化をもたらすのか。

 PSIの活動は、既存の国際法および国際的な枠組みに従って実施される。PSIの阻止原則宣言は、特にこの点を強調している。

 公海およびその上空における海空の阻止活動は、国際法の下でどのような影響をもたらすのか。

 国家が輸送の阻止に協力する可能性のある状況にはさまざまなものがあるが、中でも顕著な例として、旗国がそうした輸送における自国籍船舶の使用の防止、あるいは旗国の領土・領海・領空における国内法の執行に協力する場合が挙げられる。PSI阻止原則宣言は、PSI活動が各国の法的権限および関連する国際法や国際的枠組みに従って実施されることを明示している。

 「便宜置籍」船を阻止する場合の手順と法的な影響は?

 PSIの措置は、国家の既存の法的権限、および既存の国際法、国際的枠組みに従ってとられる。これには、公海における乗船検査に関連する国際的な法的原則も含まれる。便宜置籍船の阻止に際しては、通常、国際法に基づき、旗国の同意が、公海における乗船検査の明確な根拠となる。

 どの国がPSIの行動を主導あるいは調整するのか。

 阻止活動の展開は、場合によって異なる。一般には、ある国が、必要と思われる阻止に関して情報を提供し、輸送品の調査、また必要であれば阻止に関して、他国の援助を要請する。関与する必要のある国家間で、必要な行動について調整を行う。

 阻止のための情報の信頼性を確認するメカニズムはあるのか。

 現在実行されているように、米国は、確実な根拠があると確信した場合にのみ阻止活動を追求する。その判断は、PSIの参加各国政府の高官レベルで下されなければならない。

 情報は、参加国間でどのように伝達されるのか。

 PSIへの協力を希望する国家は、具体的な阻止活動にその国の積極的な活動と支持が要求される場合に備えて、情報共有のための適切な連絡先を明らかにするよう要請される。

 しかしながら、特定の阻止事例に関する秘密情報は、通常、実際の阻止活動に関与する国家だけに伝達される。そのような秘密情報を他のPSI参加国にも提供する意図はない。

 PSIの活動を促進するために多国間で情報を共有する計画はあるか。

 それはない。具体的な情報を多国間で共有する計画はない。

 PSIのために新たな通信経路が必要となるのか。それとも既存の経路で十分なのか。

 情報の伝達や受信のために通信経路がすでに存在する場合には、引き続きその経路を使用する予定である。有効な通信経路が存在しない場合には、新たに確立する必要がある。

 国家のデータ・プライバシー法に準拠するために、どのようなデータ共有、データ・プライバシー保護の手段を実施するのか。

 米国の場合、米国の法律の下では、そのような変更を行う必要性はないが、各国が必要性を感じれば、それぞれの法律を変更することができる。

 懸案される政策課題を提起し、細部を微調整するために、定期的、組織的なPSI会議が開催されるのか。

 米国は、PSI参加国による定例会議を計画してはおらず、またそうした会議を支持もしていない。とは言うものの、さまざまなPSI参加国が、異なるレベルで、また地域別に、情報交換や構想の微調整のために定期的に会合を開くことは有用であり、必要でもあるかもしれない。また、米国は、運営専門家のグループが、地域別の会合や活動を含め、定期的に会合を開くと考えている。

 「正当な理由」の定義は何か。

 拡散懸念国家・非国家主体への大量破壊兵器関連物品の輸送が疑われる事例については、阻止原則宣言では、他国の要請があり、「正当な理由が示された」場合には、国家が旗艦の乗船検査を行ったり、領空通過権を拒否したりすることが求められている。各国は、そうした要請に対応する際には、正当な理由が示されたかどうかを独自に判断する必要がある。すなわち、各国は、要請国の提供する情報が、その要請を受け入れる正当な理由となるかどうかを、独自に判断する必要がある。

 今後の運営活動は、いつ、どのように計画されるのか。

 PSIの運営活動、すなわち訓練演習やワークショップなどは、各国の運営専門家の協議によって決められる。一般に、将来の訓練活動は、定期的な運営専門家会議で提案され、最大限の継続的参加を促進するような訓練日程が、1〜2年先まで作成される。

 PSI活動の資金はどこから出るのか。

 各国が、それぞれのPSI支持活動の資金を提供する。ただし、米国は、各国が確実に効果的な措置をとる能力を持つことを望んでおり、そのためには、米国その他の諸国がすでに実行しているように、特定の諸国がPSI活動を支持するために法執行などの能力を強化するのを支援する可能性を否定するものではない。

 現在、PSI活動に十分貢献する能力が不足している国に技術援助を提供する規定はあるのか。

 各国がPSI活動を支持する能力を向上させるために訓練や援助を提供することを、PSI内で正式に定める規定はない。しかし、われわれは、既存の援助・協力制度の枠内で、そのような要請を2国間ベースで検討する意志がある。

 押収後の貨物はどうなるのか。押収された貨物の最終的な処理はどのように決定されるのか。

 処理方法は、個々のケースの具体的な状況によって異なる。

 公海での乗船検査と船舶押収の具体的な手順はどのようなものか。まず旗国との協議が行われるのか。PSI参加諸国が、乗船を全面的に容認するのか。

 PSI阻止原則宣言第4(c)項に、同意に基づく乗船に関する記述がある。各国が、独自の判断に基づいて、そうした同意を与える際の方針を決定することができる(例えば、ケース・バイ・ケース、全面同意など)。

 その他のあらゆるPSI活動と同様、乗船検査や押収も、国家の法的権限、および国際法や国際的枠組みに従って行われる。 

 非PSI参加国も乗船検査や押収の対象となるのか。

 PSIの対象は、国ではなく輸送品である。いかなる国の船舶であっても、乗船検査は国際法の範囲内でのみ実施される(例えば、公海上では、旗国の同意を得てからその国の船籍の船舶に乗船検査する)。大量破壊兵器、その運搬手段および関連物資を拡散懸念国家・非国家主体へ輸送する船舶の関与する事例では、旗国がPSI参加国であるか否かにかかわらず、旗国に乗船検査の同意を求める可能性がある。

 公海で阻止活動を実施できるのか。

 できる。国際法では、いくつかの根拠により、公海上の船舶に対するPSI活動の可能性が認められている。その一例として、旗国の同意は、大量破壊兵器、その運搬手段および関連物資を拡散懸念国家・非国家主体へ輸送するために使われている船舶に対する乗船検査を許可する、明確な法的根拠となり得る。