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*下記の日本語文書は参考のための仮翻訳で、正文は英文です。

米国は北朝鮮問題の外交的解決を求める、とパウエル氏

(1月9日、NHKテレビのインタビューで、北朝鮮、イラクについて語る)

 コリン・パウエル国務長官は1月9日、NHKテレビの道傳(どうでん)愛子氏によるインタビューで、米国は北朝鮮の核開発活動に対して、軍事的な解決ではなく外交的な解決を求める、と述べた。

 「ブッシュ大統領は、この難題に対して、政治的・外交的な解決を望むことを明らかにしている。そして私は、それが可能だと思う」と語った。

 さらにパウエル長官は、「われわれが軍事的な手段に関心があったなら、(北朝鮮、韓国、中国、ロシア、日本、および米国による)6カ国協議を開催することはなかった」とし、「米国は戦争を望んではいない。敵を探してはいない。われわれが望んでいるのは、問題を解決すること - 北朝鮮の核兵器計画がもたらしているような問題を解決することである」と述べた。

 パウエル長官は、近いうちに次回の6カ国協議が開催されることを「ある程度確信して」いるが、「われわれは、次回の正式交渉が、単に周知の意見を交換する新たな機会となるのではなく、真の前進が見られるようにしたい」と述べた。

このインタビューでパウエル氏は、日本が陸上自衛隊のイラク派遣を決定したことに感謝の意を表明した。

 「われわれには、イラクにおける重要な作業が待っている。それは、イラクの人々の生活向上を援助し、民主主義を確立することであり、イラクの人々は、外国からの援助を必要としている。それは、時には資金という有形の援助であるが、平和維持部隊という形の有形の援助もある」とパウエル氏は語った。

 パウエル氏によると、自衛隊派遣の決断は、「日本の成熟度を示すものであり、日本がアジアだけでなく世界という舞台で極めて重要な国家としての責任を果たそうとする意志を表すものである。」

 長官は、サダム・フセイン政権の解体によって、「世界はより安全になった」が、国際社会はテロとの戦いを継続しなければならない、と述べた。

 「無実の人々を大量に殺りくし、自国民を恐怖に落としいれ、大量破壊兵器を開発してきたサダム・フセインがもはや存在しないため、世界はより安全になった。まだ困難な課題が残っているが、これがリビアの行動に及ぼした影響、イランの行動に及ぼした影響を見ることができる。われわれは最後までやり遂げなければならない」

 以下は、パウエル長官インタビューの、国務省による記録である。


NHKテレビ道傳愛子氏によるインタビュー(東京−ワシントンを結んで)

コリン・L・パウエル国務長官 

ワシントンDC 

2004年1月9日 (東部標準時間午前10時10分)

道傳氏:国務長官、こんばんは。NHKの道傳愛子です。

パウエル長官:こんばんは。

道傳氏:時間を有効に使うために、すぐ質問に入らせていただきます。

パウエル長官:どうぞ。

道傳氏:日本国民の間では死傷者が出ることに対する不安が急激に高まる中で、日本政府は陸上自衛隊のイラク派遣命令を出しました。日本は、国際舞台における役割という点で、新たな領域に踏み込もうとしている、とお考えになりますか。

パウエル長官:はい、そう思います。そして、それは小泉首相と日本政府による非常に勇気ある決断であり、私は彼らに感謝の意を表したいと思います。また、この使命に理解を示してくださった日本国民の皆さんにも感謝したいと思います。

 われわれには、イラクにおける重要な作業が待っています。それは、イラクの人々の生活向上を援助し、民主主義を確立することであり、イラクの人々は、外国からの援助を必要としています。それは、時には資金という有形の援助ですが、平和維持部隊という形の有形の援助もあります。

 日本の派遣部隊を守るためにあらゆる手段が尽くされることを私は確信していますが、これは日本の成熟度を示すものであり、日本がアジアだけでなく世界という舞台で極めて重要な国家としての責任を果たそうとする意志を表すものである、と思います。

道傳氏:しかし、テロとの戦いの結果として、世界の安全度はむしろ下がった、とする主張もあります。イラクその他の各地で毎日テロ攻撃が発生していることが報道されています。実際に世界はより安全になったとお考えになりますか。

パウエル長官:はい、世界はより安全になったと思いますが、テロがすべてなくなったわけではありません。ブッシュ大統領は、9・11(2001年9月11日の同時多発テロ)の直後に、テロリズムが長期的、継続的な問題となること、そしてわれわれ全員が団結してテロと戦わなければならないことを明確に示しました。イラクその他の世界各地でいまだに問題が発生しており、テロリストが文明国家を攻撃し、民主主義国家を攻撃しています。したがって、われわれは、テロリストを恐れて、「関与しないようにしよう」と言っていてはいけない。われわれ全員が関与しなければならないのです。そして私は、日本が、世界的な対テロ戦争において、また特にイラクに対する援助において、このような重要な役割を果たしていることをうれしく思います。

 無実の人々を大量に殺りくし、自国民を恐怖に落としいれ、大量破壊兵器を開発するサダム・フセインのような人間がもはや存在しないため、世界はより安全になりました。あの地域に新しい時代が訪れています。まだ困難な課題が残っていますが、これがリビアの行動に及ぼした影響、イランの行動に及ぼした影響を見ることができます。われわれは最後までやり遂げなければなりません。そして、イラクの人々への援助には、強く勇気ある態度で臨む必要があります。私は、日本がそのような重要な役割を果たそうとしていることを嬉しく思います。

道傳氏:しかし、私たちにはいまだにわからないことがひとつあります。長官は、サダム・フセインとテロ組織とのつながりを示す決定的な証拠あるいは具体的な証拠はない、とおっしゃいました。また、WMD(大量破壊兵器)もまだ発見されていません。そのような状況で、この戦争をどのように正当化できるのでしょうか。

 パウエル長官:国際社会が十何年にもわたってサダム・フセインに、大量破壊兵器の所在を明らかにするよう要請してきたという事実が、戦争を正当化できると思います。

 米国の情報機関、ほとんどの主要国家の情報機関、そして国連査察官自身が、フセインが大量破壊兵器開発を意図し、大量破壊兵器開発計画を有し、実際に大量破壊兵器を保有していたこと、そしてその兵器を自国民に対して使用し、しばらく前にはイラン人に対して使用したことを信じていたし、知っていました。

 彼の態度が多少変化したからといって、そうした兵器について心配しなくてもよい、と考えるべきでしょうか。われわれは心配し、問題を国連に提示し、国連が何年も前からフセインに提示してきた質問に彼が答えるよう要求しました。しかし、彼は回答を拒否し、その結果として、彼はもはや権力の座にはありません。

 われわれが、多量の大量破壊兵器を発見するかどうかはまだ明らかになってません。われわれはその作業を続けていますが、フセインが地域および世界に対する脅威であったことは、誰も疑うことができません。

 われわれは、サダム・フセインとアルカイダおよびテロリストとを結ぶ動かぬ証拠があるとは1度も言っていません。しかし、われわれに懸念を抱かせるような兆候は確かにありました。そして、ブッシュ大統領、(トニー・)ブレア(英国)首相、(スペインのホセ・マリア・)アスナール大統領、およびその他の各国首脳が、サダム・フセインとその政権を除去するために偉大な連合を結成したのは正しいことだったと思います。

道傳氏:わかりました。それでは次に、朝鮮民主主義人民共和国の話に移らせていただきます。

 北朝鮮における多国間協議は、まだ実質的な成果を生むには至っていません。次回の6カ国協議の開催期日はまだ決定されていません。米国は、この外交手段の追求をどの程度真剣に考えているのでしょうか。

パウエル長官:極めて真剣に考えています。こうした問題には時間がかかります。私は、そう遠くない将来に次回の6カ国協議が開催されることをある程度確信しています。しかし、正式な会合はなくとも、多くの動きがあります。われわれは、日本の友人たち、中国の友人たち、ロシアの友人たち、そして韓国の友人たちと、緊密な協議を行っています。また、われわれは、次回の正式交渉が、単に周知の意見を交換する新たな機会となるのではなく、真の前進が見られるようにしたいと考えています。

 したがってわれわれは、協議が前進を見せることができるように、協議の準備を進めているのです。北朝鮮が近隣諸国および米国からの安全保障の確約と引き換えに大量破壊兵器、核兵器計画を除去するよう説得する、この多国間の努力に、北朝鮮の近隣諸国がすべて参加していることに、私は非常に満足しています。そして、その段階に達したとき、また両サイドがそのような確約をするとき、われわれは北朝鮮国民の状況を改善し、その他の未解決の課題を解決する他の手段を実行することができます。そして私は、日本政府の協力に満足しています。

道傳氏:今でも、軍事的な手段も含め、あらゆる選択肢が検討されているのでしょうか。

パウエル長官:どのような選択肢であれ、排除するのは軽率なことです。排除する理由がありません。しかし、ブッシュ大統領と小泉首相、およびその他の指導者たちが現在追求している主な選択肢は、外交的手段です。

 ブッシュ大統領は、この難題に対して、政治的・外交的な解決を望むことを明らかにしています。そして私は、それが可能だと思います。

 われわれが軍事的手段に関心があったなら、6カ国協議を開催することはなかったでしょう。したがってわれわれは外交的解決を求めています。米国は戦争を望んではいません。敵を探してはいません。われわれが望んでいるのは、問題を解決すること、 北朝鮮の核兵器計画がもたらしているような問題を解決することです。

道傳氏:しかし、国際社会では、米国が先制攻撃の原則に支えられて、ハイパーパワーとして優位に立つことに対する不安がまだ残っています。これに対してどう反論されますか。

パウエル長官:それは間違っています。米国が外交政策をどのように実践してきたかを見ると、米国は友好国・同盟国に手を差し伸べています。米国が北朝鮮との6カ国協議に際して、地域の友好国とこれだけ緊密に協力しているのに、なぜそのような主張ができるのでしょうか。

 われわれは先制攻撃をしているでしょうか。誰かを攻撃しているでしょうか。われわれは北朝鮮に対して、北朝鮮を攻撃する意志はないことを伝えています。われわれが言っているのは、この問題は、北朝鮮とその近隣諸国、そして米国との間で解決されなければならない問題であるということです。外交、政治、多国間主義、そしてパートナー同士の協力によって問題を解決するということです。

 確かにわれわれはあらゆる選択肢を検討しています。それは、そうしなければならないからです。しかし、われわれが求めているのは外交的解決です。したがって、今引用された、米国がハイパーパワーとして行動しているというコメントは正しくないということになると思います。

道傳氏:どうもありがとうございました。

パウエル長官:どういたしまして。

道傳氏:またお話をうかがわせてください。

パウエル長官:どういたしまして。