
*下記の日本語文書は参考のための仮翻訳で、正文は英文です。
劣化ウランに関するよく尋ねられる質問
(下記は国際原子力機関(IAEA)のウェブサイトから劣化ウランに関する文書を抜粋したものを仮翻訳した文書です。次のURLで原文は閲覧できます。 www.iaea.org/NewsCenter/ Features/DU/faq_depleted_uranium.html))
仮翻訳掲載−2003年10月
劣化ウランとは
劣化ウランは健康に有害か
劣化ウラン弾の軍事使用―着弾の後、何が起こるのか
人間が被ばくする場合とは
子どもや妊娠中の女性が特に被害を受けやすいのか
劣化ウランに被ばくした人々に関する調査の結果は
国際原子力機関(IAEA)の役割は
- 劣化ウランは、天然ウラン鉱を原子炉や核兵器に使用するために濃縮する際に残る副産物である。有毒で高密度の超硬金属である。
- 濃縮プロセスの過程で、ウランに含まれるより放射性の強いアイソトープの大部分が取り除かれるために、「残された」劣化ウランの放射性はウランより約40%弱い。
- 劣化ウランの放射線は、われわれが日常的に受けているバックグラウンド放射線(自然界に偏在している微量の放射線)と大きな違いはない。劣化ウランの放射性は弱い。例えば、多くの古い夜光腕時計にいまだに使われているラジウムの300万分の1、また火災検知器に用いられているものの1000万分の1に過ぎない。
- 超高密度であることに加えて他の物理的特性を有するため、劣化ウランは、戦車の分厚い装甲を貫通する弾丸や、防御用の装甲保護に軍事利用する上で理想的なものである。劣化ウランは、核兵器ではない。
- 劣化ウランの被ばくと、がんやその他の重大な健康上あるいは環境上の影響の増大との関連を、信頼できる科学的証拠に基づいて証明するものは存在しない。
- 劣化ウラン被ばくに関する最も信頼できる調査は、除去不可能な劣化ウランの破片が体内に残っている湾岸戦争の復員兵に関するものである。これまでのところ、ウランの化学的毒性あるいは放射能毒性による健康異常をきたした復員兵はひとりもいない。
- 劣化ウランが健康を害する主要因は化学的毒性ではなく放射能である、という誤解が多く見られる。他の重金属と同様、劣化ウランは、潜在的に有毒である。劣化ウランを飲み込んだり、吸い込んだりした場合、量が多ければ、化学的毒性の故に有害である。高濃度の場合には、腎臓障害を引き起こす可能性がある。
- 世界保健機関(WHO)によると、放射能毒性が肺がんを引き起こすのは、極めて多量の劣化ウランの粉じんを吸入した場合である。白血病など、放射線が誘発する他のがんのリスクは、かなり低いと考えられている。
- 劣化ウラン弾が装甲車両に命中すると、吸入される可能性のある劣化ウランの微粒子を含むエアゾールが形成される。汚染物質の大半は、被弾した車両内部にとどまる。しかし、粉じんの一部は空中に散り、風で拡散したり、雨で地面にたい積する。劣化ウランの粉じんの大部分は、命中した攻撃目標から数百メートル以内にとどまる。時間が経過するにつれて、地面にたい積した劣化ウラン微粒子の粉じんが地中に吸収される一方で、より大きい劣化ウランの破片は地面にそのまま残り、腐食し始める。
- ほとんどの場合、標的に命中する貫通弾の割合は、10%以下である。標的をはずれたり、「ソフト」標的(非装甲車両)に命中した劣化ウラン貫通弾から生じる粉じんの量は、わずかである。粘土や砂のような軟らかい地面に衝突する弾丸の多くは、そのまま地中に入り込む(地質によるが、深さは数メートルまで)。
- 劣化ウラン貫通弾の腐食には種々ある。例えば、ケイ砂や酸性火山岩の場合には、可溶化率が高いために、地下水の局地的な汚染につながる可能性がある。しかし、線量率がバックグラウンド放射線レベルを大幅に超える可能性は低く、その地域の住民に対するリスクは最小限にとどまる。
- 吸入
考えられる被ばくの主な経路は、劣化ウラン弾が硬い標的に命中する際に生じる劣化ウランの粉じんを吸い込むことである。吸入することで、肺やその他の器官が被ばくする可能性はある。命中直後に標的の近くにいた人間が、最大の線量を受ける可能性が高い。劣化ウランの影響を受けた地域の住民が被ばくする経路は、最初に地面にたい積していた劣化ウランの粒子が、風や人間の活動により再び空中に舞い上がったものを吸入することが考えられる。 - 経口
かつての戦闘地域で遊ぶ子どもや、そこで働くか居住する成人が、劣化ウランで汚染された土を誤って、または故意に飲み込むことで被ばくする可能性はある。食物連鎖の中でウランが循環することは実際上ないので、汚染された土壌から飲料水やその地域で生産される食料に劣化ウランが混入して、その地域の住民あるいは訪問者に害を与えることは考えられない。 - 人体接触
皮膚を通した接触被ばくの可能性は概して低く、重要ではない。劣化ウランに皮膚が触れたことにより放射線やけど(紅斑)を負う可能性は、仮に数週間劣化ウランに皮膚が触れていたとしても、低い。しかし、劣化ウランは傷口を通して、または体内に残された劣化ウランの破片から血液に入り込む可能性はある。 - 体内残留
WHOは以下のような報告をしている。 a) 体内に入った劣化ウランのほとんどすべて(98%)は排泄され、血流に到達することはない。 b) 血液に吸収されたごく少量のウランの約70%は、24時間以内に腎臓でろ過され、尿として排泄される。この量は、数日の間に90%に増加する。
- 児童と成人の間で、劣化ウラン被ばくによる健康への影響の受けやすさに違いがあるか否かは、分かっていない。しかし、科学実験により、えさとしてウランを与えられた動物の場合、幼体は成体に比べて、より多くのウランを血液に吸収することが分かった。
- WHOが2001年に行なったアセスメントは、劣化ウランの被ばくと、先天的異常発症の間のいかなる関連性も否定している。
- 劣化ウラン被ばくの健康への影響に関して現在行われている最も詳細な調査は、湾岸戦争当時味方からの誤射を受けた33人の復員兵に関するものである。これら復員兵の大半が、その体内に、除去不可能な劣化ウランの破片が残されている。今までのところ、尿に含まれるウランのレベルが大きく増加しているにもかかわらず、1人としてウランの化学的毒性または放射能毒性により異常をきたした復員兵はいない。しかし、健康への影響に関しては、長期にわたる、より包括的な調査が必要であることが一般的な認識である。
- 国連環境計画(UNEP)が2001年(コソボ)と2002年(セルビアとモンテネグロ)および2003年(ボスニアとヘルツゴビナ)に行なったIAEA専門家も参加した調査によると、1990年代中ごろに行われた戦争で使われた劣化ウラン弾の残留物が、報道されているバルカン地域でのがんの発生リスクの増加と関係している可能性は非常に低いことが分かった。この調査では、この地域の住民が多大に被ばくした可能性は極めて低いとしている。
- IAEAは、放射線被ばくに対する一般市民の安全に関する問題に絶えず気を配り続けている。IAEAは、劣化ウラン残留物による放射線の影響の可能性に関する評価に積極的に参加している。
- IAEAは最近、1990年の湾岸戦争で使われた劣化ウラン弾の残留物に関して、クウェートにおける放射線事情の調査を完了した。この報告書は、数カ月以内に発表される予定である。


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