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選挙人団
米国の大統領選挙で投票する有権者の多くは、自分たちが大統領の直接選挙に参加している、と考えている。しかし、厳密にはそうではない。なぜならば、18世紀の憲法の名残である選挙人制度が存在するからである。選挙人団とは、各州で政治活動家や党員によって指名される「選挙人」の一団である。選挙日には、特定の候補に投票することを誓約しているこれらの選挙人が一般投票で選出される。選挙人は、大統領選挙直後の12月に各州の州都で集会を開き、投票によって大統領と副大統領を選出する。大統領に選出されるには、270の選挙人票が必要である。
接戦の場合や3政党以上の選挙戦の場合には、どの候補も270票を獲得できない可能性があるが、その場合は下院が次期大統領を選任する。
選挙人団制度は、合衆国憲法第2条第1節に規定されている。近年、多少論議の対象となってはいるものの、選挙人団制度は選挙制度を安定させる要因であるとの見方もある。
今日の選挙人団の機能
・ 50州およびコロンビア特別区の登録有権者は、大統領選挙年の11月の第1月曜日直後の火曜日に、大統領と副大統領に投票する。・ 通常、各州の一般選挙の勝者が、その州のすべての選挙人票を獲得する。(理論的には、その候補者に投票することを誓約した選挙人が全員選出される)
・ 各州の選挙人数は、その州の上院議員および下院議員の数と同じである。連邦議会で投票権を持たないコロンビア特別区の選挙人数は3である。
・ 選挙人は、大統領選挙年の12月の第2水曜日直後の月曜日に集会を開き、正式な投票によって大統領と副大統領を選出する。選出には、選挙人票の過半数が必要である。選挙人は合計538人であるため、選挙人団による選出には、270票が必要とされる。
・ どの大統領候補も選挙人票の過半数を獲得できなかった場合には、下院が、選挙人団の中で最多票を得た候補3人の中から大統領を選出しなければならない。その際、下院議員による投票は州単位で行われ、各州の議員団がそれぞれ1票を投じる。
・ どの副大統領候補も選挙人票の過半数を獲得できなかった場合には、上院が、選挙人団の中で最も多くの票を得た候補2人の中から副大統領を選ばなければならない。
・ 大統領と副大統領は、選挙の翌年の1月20日に宣誓し、就任する。
| 2004年の州別選挙人団数 | ||
| アラバマ 9 | ルイジアナ 9 | オクラホマ 7 |
| アラスカ 3 | メーン 4 | オレゴン 7 |
| アリゾナ 10 | メリーランド 10 | ペンシルベニア 21 |
| アーカンソー 6 | マサチューセッツ 12 | ロードアイランド 4 |
| カリフォルニア 55 | ミシガン 17 | サウスカロライナ 8 |
| コロラド 9 | ミネソタ 10 | サウスダコタ 3 |
| コネティカット 7 | ミシシッピ 6 | テネシー 11 |
| デラウェア 3 | ミズーリ 11 | テキサス 34 |
| コロンビア特別区 3 | モンタナ 3 | ユタ 5 |
| フロリダ 27 | ネブラスカ 5 | バーモント 3 |
| ジョージア 15 | ネバダ 5 | バージニア 13 |
| ハワイ 4 | ニューハンプシャー 4 | ワシントン 11 |
| アイダホ 4 | ニュージャージー 15 | ウェストバージニア 5 |
| イリノイ 21 | ニューメキシコ 5 | ウィスコンシン 10 |
| インディアナ 11 | ニューヨーク 31 | ワイオミング 3 |
| アイオワ 7 | ノースカロライナ 15 | |
| カンザス 6 | ノースダコタ 3 | 合計 538 |
| ケンタッキー 8 | オハイオ 20 | |
ジョン・F・ビビー(John F. Bibby) は、ウィスコンシン大学ミルウォーキー校の政治学名誉教授。米国政治学学会政党分野の会長を務めた。米国政治の権威者であるビビー教授には、Politics, Parties, and Elections In America の著作がある。
* 本稿はUnited States Elections 2004 の中のJohn F. Bibby著 "Political Parties in the United States" から"The Electoral College" および"How the Electoral College Works" を別掲したものです。


臨時代理大使