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*以下は、2009年5月1日付毎日新聞朝刊国際面に掲載されたズムワルト臨時代理大使の寄稿を、同新聞社の許可を得て転載したものです。

「食料問題:米国の供給 日本の食に貢献」

ジェームス・P・ズムワルト駐日米国臨時代理大使

 日本に住む楽しみのひとつに食の楽しみがある。伝統的な料理と新しい料理を両方楽しむことができるし、近所の小さなレストランで食事をしたり、食料品店や大きなデパートで食品を購入する折には、その品質の良さと品ぞろえの豊富さにいつも驚かされる。同様に驚くのは、日本の輸入依存がメディアや日本政府関係者の間で大きな心配事として議論されていることだ。食料自給率の向上という目標は、現行の農業政策の基礎となっており、法律にも定められている。この目標を達成するため多額の予算も費やされている。しかし、これは日本にとって最善の戦略なのであろうか。現実的であろうか。私は、日本にとっての真の食料安全保障は、二つの柱の上に成り立っている、と考えている。それは、国内生産と輸入である。

 日本人は今日、世界最高級の品質を誇る食品と食文化を楽しんでいる。ミシュランガイドによると、東京のレストランの星の累計は227個にも及ぶ。日本が食料の国内生産だけに頼っていたら、食を含め豊かな生活を維持することはできない。これを支える「2本の柱」戦略には、輸入農産物が合理的かつ健全な方法で、日本社会の福利に貢献することを認める広い視点への転換が必要である。この発想の転換には、世論の担い手や政策立案者が大きな役割を果たす。日本の民間企業は、信頼のおける外国の供給者-その筆頭が米国である-と長年にわたり貿易・投資関係を結んできたので、輸入によって国内生産を補い、食料安全保障を強化できることを知っている。日本企業は60年以上にわたり、米国の農業に投資し、信頼できる、高品質な農産物を購入してきた。

 世界の競争市場で農産物を購入している日本には、健全な国内農業部門だけでなく、健全な輸入部門も必要である。故に、日本は、透明で一貫性があり、科学的な基準を採用し、農産物貿易を促進する国際的な貿易協定を支持することで、自国の食料安全保障を強化できる。国内生産は今後も日本の食料安全保障において常に重要な役割を果たしていくが、総合的な戦略には信頼のおける供給者からの輸入も含めるべきである。米国には、プロ意識が高く、仕事熱心な農業界と、科学に基づいた高度な食品衛生規制制度がある。この制度は、日本など、米国農産物のすべての顧客に役立っている。米国の農家は、日本の農家とともに、日本への食料供給における自らの役割を果たし続ける用意ができている。