
*下記の日本語文書は参考のための仮翻訳で、正文は英文です。
ワシントン
2008年10月11日
マコーマック報道官 皆さん、おはようございます。土曜日の朝にお集まりいただき、ありがとうございます。普段、記者会見室でお見かけしない方も何人かいらっしゃるようです。
お手元に2枚ほどプリントをお配りしました。1枚はファクトシートで、記録に残すためにこれから私が読み上げます。もう1枚は、「北朝鮮に関する既存の制裁措置と報告規定」と題したファクトシートです。これは、後でお話しする内容に関して参考になるはずです。では、始めさせていただきます。私が声明を2つほど読み上げますが、これは後で文書にしてお渡しします。それから、東アジア・太平洋局のソン・キム大使、パティ・マクナーニー次官補代行、およびポーラ・デサッター次官補にも後ほど、簡単に話をしてもらい、その後で今朝の出来事について質疑応答を行います。
6者協議参加国は、北朝鮮の非核化の進展に際して、関係各国が北朝鮮の非核化を確実に検証することができる検証措置の重要性に関して、かなりの期間にわたって協議を行ってきました。6カ国の首席代表会合が7月に開かれ、検証措置について協議を行うとともに、関係国間で草案を交換しました。7月12日、6者協議の議長国である中国により、検証措置には施設への立ち入り、書類の調査、技術者への面談、および6カ国が全員一致で合意した他の措置が含まれることを内容とする公式声明が発表されました。
北朝鮮政府の招聘(しょうへい)により、6カ国を代表して米国交渉団が、10月1日から3日まで平壌を訪れ、検証措置に関する集中協議を行いました。その代表団の一員だったソン・キム大使が、その場にいた当事者として、交渉についてもう少し詳しくお話しします。
これらの協議に基づき、米国と北朝鮮の交渉担当者は、多数の重要な検証措置について合意しました。強調しておきますが、これは合意です。その内容は、検証活動には、非核保有国を含む6カ国すべてから専門家が参加できるようにすることについての合意、検証に当たり、国際原子力機関(IAEA)が、助言や支援を提供する重要な役割を担うことについての合意、専門家は申告された全施設に加え、未申告の施設についても、両者の合意に基づき立ち入ることが認められることについての合意、試料採取および法医学的活動を含む科学的手段の利用についての合意、検証手順に含まれるすべての措置が、プルトニウム計画、およびすべてのウラン濃縮と核拡散活動に適用されることについての合意、です。さらに、6者協議の文書との整合性を監視するために6カ国がすでに合意した監視メカニズムが、核拡散とウラン濃縮活動に適用されます。
これらの検証措置に関する米国と北朝鮮の間の合意は、米朝間の共同文書およびその他の了解事項に成文化され、集中協議を通じて再確認が行われました。合意および関連する了解事項は他の関係国にも伝えられました。これらの措置は、近い将来6者協議でまとめられ、採択される検証手順の基盤となります。
私から、これに少し付け加えさせていただきます。それから専門家がもう少し詳しくお話をします。このパッケージには、われわれが求めた検証の要素がすべて含まれています。これは重要な点です。われわれが盛り込むよう求めていた要素が、ひとつ残らずこのパッケージに入っています。この集中協議については、キム大使がもう少し詳しくお話しできると思いますが、われわれは日本代表団とも集中協議を行いました。そして、その協議の中で、日本側は、この合意が6者協議のレベルで、文書化も含めて公式化されるべきであるという点を明確にしました。われわれもそれに同意します。ですから、ここで、これがすでに合意されているという点を強調しておかなければなりません。
従って、基本的には、次のステップは6カ国協議の主な原則に従うこと、すなわち、どの2カ国間の合意も、最終的には6カ国すべてによって保証され公式化されるという原則に従うことです。先に申し上げたように、これについてはキム大使がもう少し詳しくお話しできますが、これは重要な点です。既存の(制裁)措置についてのファクトシートはすでにお手元にあります。今から申し上げるのが私からの声明で、これは後で文書にします。
朝鮮民主主義人民共和国は、同国の非核化措置の検証における有意義な協力を示す一連の検証措置に合意しました。これらの了解事項については、別途ファクトシートに詳述します。最近の北朝鮮による協力と合意に基づき、また同国がテロ支援国家指定解除の法定基準を満たしたことから、ライス国務長官は今朝、北朝鮮に対するテロ支援国家の指定を解除しました。この措置は、ライス長官の署名により既に発効しています。
北朝鮮は自国の核施設の無能力化を再開すると述べました。これは6者協議における「行動には行動を」の原則が有効であることを証明するものです。米国は、日本の懸念、特に北朝鮮による過去の日本人拉致事件に関する懸念への取り組みに関して、日本と北朝鮮の協議に進展があったことを歓迎します。米国は、北朝鮮がこれ以上遅滞することなく、日本の懸念に対処するよう強く促します。米国は拉致問題に関して、日本の立場を全面的に支持しています。そして拉致被害者と、そのご家族の苦しみを忘れたことはなく、これからも決して忘れることはありません。
北朝鮮は、2006年の核実験、核拡散活動、人権侵害および共産主義国家であることから、引き続き数多くの制裁措置の対象となっています。そのリストはお手元にあります。米国は、北朝鮮のすべての核開発計画およびその活動を検証可能な形で終結させるために、引き続き努力していきます。これを達成するまで、米国は努力をやめません。
*下記の質疑応答は2008年11月19日に当大使館サイト用に追加掲載した文書で、プレスリリースとして発表したものではありません。
ではここでキム大使から話を聞きたいと思います。それから、ここにいるほかの方々に話をしてもらった後で、質疑応答へと進めていきたいと思います。
問 ひとつ…。
問 何でしょうか。
問 ええ、今言われたことについてお尋ねしたいのですが、先ほど読まれたところで、近い将来、6カ国によって検証手順が決定され、採択されるというくだりがありましたが、キム大使に答えていただけると思いますが、正確に、それはいつになるのでしょうか。
マコーマック報道官 近い将来ですね。その件については、ソン・キム大使に答えてもらいましょう。
問 分かりました。
キム大使 ありがとう。おはようございます。マコーマック報道官が重要な点はほとんど取り上げてくれたと思うので、私は交渉の経過についてお話しようと思います。そうすれば、どのように合意に達したかについてさらに深く理解していただけると思います。
マコーマック報道官が言ったように、6カ国はここしばらくの間、北朝鮮の申告を確実に検証できる強固な検証措置を模索してきました。私たちは、北朝鮮との話し合いを継続する一方で、6者協議の全関係5カ国と集中的な協議を続けてきました。実際には、6月に申告が提出される前にも検証活動は始まっていました。ご記憶のことと思いますが、北朝鮮は5月初旬に、寧辺の核施設に関する1万8000ページに及ぶ文書を提出しています。私たちは、この文書を分析して、有益な情報を得ることができました。
6月26日の申告書の提出に関連して、6者協議の議長国である中国は、この申告を徹底的に検証すること、また検証体制の指針となる原則について6カ国が合意していることを発表しました。これについては、7月10日から12日まで行われた6者協議首席代表会合と、非核化作業部会でさらに詳細に検討されました。中国が協議の結果として発表した公式声明については、先ほどマコーマック報道官からも話があったと思います。
私たちは、7月23日にシンガポールで開かれた6カ国による非公式外相会議の合間などで、関係国すべてと継続協議を行っています。関係各国とさらに話し合いを持った上で、8月22日に、検証に関する修正案を回覧しました。北朝鮮からはまだ実質的な回答はありませんが、先週ヒル国務次官補率いる米国代表団が北朝鮮に招かれました。
先週の訪朝の際に、一連の検証措置に関して詳細かつ内容のある話し合いを持ちました。マコーマック報道官が言ったように、米朝はこうした検証措置について合意しております。今後はこれらの措置を6者協議のプロセスで成文化していかなければなりません。ライス国務長官が好んで言うように、この2国間合意を「6者協議での合意とする」作業を行わなければなりません。それが次のステップです。6者協議の時期についてお尋ねでしたね。私たちは中国側と話をしておりますが、中国はできるだけ早く、おそらく今月中にも会合を開き、この検証パッケージを最終決定して採択したい考えだと思います。
もう一度申し上げておきたいのですが、私たちは関係各国のすべて、とりわけ日本と、非常に集中的な協議を継続してきました。事実、ほんの1~2日前のことですが、国家安全保障会議(NSC)の担当者と私は、東京で日本側の担当者と4~5時間に及ぶ会合を持ち、米朝合意を詳細に検討しました。また、日本の指導者たちと上級レベルでも何度か意見交換を行いました。
また、ほかにも2~3の非常に重要な点について指摘しておきたいと思います。マコーマック報道官が先ほど読んだ声明にあったように、私たちは、日本の懸念、特に拉致問題に取り組むことに関して、先ごろ日本と北朝鮮との間で進展があったことを歓迎しています。私たちは北朝鮮に対し、できる限り早く合意を実行に移すように強く求めます。また北朝鮮の人権状況全般について、私たちが引き続き深く懸念していること、そして6者協議プロセスを進展させる上でも、また2国間関係の改善のためにも、人権問題は対処しなければならない重要な懸念であることを、北朝鮮に対し明確に示してきたと申し上げておきたいと思います。ありがとうございます。
マコーマック報道官 次にマクナーニー国務次官補代行、その後デサッター国務次官補に話を聞きます。それから皆さまの質問にお答えしたいと思います。
マクナーニー氏 おはようございます。私は、国際安全保障・不拡散局の観点から、同僚のポーラ・デサッターと共にこれまで行ってきたことについて、一般的なお話を少ししたいと思います。検証に関する具体的な点は、デサッター次官補に話してもらいます。
北朝鮮が完全で正確な核計画の申告書を提出することに合意した昨年の10月3日以来、基本的に私たちは集中してやってきました。北朝鮮が提出した申告の完全さと正確さを評価するために、米国と6者協議参加国は、確固とした検証の仕組みが必要であることを確認しました。7月12日に私たちは北京で会合を持ち、マコーマック報道官が先ほど言ったように、検証体制の一般的な要素のいくつかを説明する声明を出しました。
北朝鮮の核申告の検証は困難な作業となるでしょう。私たちがこの課題に不用意に取り組むということはありません。北朝鮮の政権は、世界で最も秘密主義で不透明な政権です。そういう理由から、ライス国務長官は、申告書の中に含まれているべき要素のいくつかについて概略を述べたのです。これは6月18日に長官が述べたことですが、その要素とは、北朝鮮の核施設の現地査察、環境および物質の試料の採取と持ち出し、物質と設備の法医学的分析、文書および記録の閲覧、核開発計画に関与している北朝鮮国民への事情聴取などです。本日議論している合意は、それらの基準をすべて満たしています。
6者協議のプロセスが開始してから、私たちは、北朝鮮の核開発計画について多くの新しい情報を得ました。キム大使が言ったように、専門家が1万8000ページに及ぶ寧辺の核施設の稼働記録を調査する機会を得ました。そして、北朝鮮がウラン濃縮に取り組んだことが分かりました。私たちは、北朝鮮が過去にウラン濃縮に取り組んでいたと判断しています。6者協議のプロセスが進むに従って、北朝鮮のウラン濃縮能力に関する新たな情報が出て、これに悩まされてきました。
私たちはここ数カ月間、6カ国を代表して、国務長官が説明したような体制をつくるためにこのような交渉を行ってきました。この合意と関連する了解事項は現在6カ国によって精査されていますが、これは、今後数週間に議論されることになる正式な検証手順の基盤になると確信しています。ひとたび6カ国による合意が成立したら、堅固な検証体制に着手する上での確固たる基盤となることを確信しています。しかし、これは長期にわたるプロセスであり、進展は北朝鮮の協力次第です。
既存の制裁に関するファクトシートについて強調しておきたいと思います。米国の法律から見て、北朝鮮は今後も世界で最も多くの制裁を受けている国のひとつです。事実、米国から(北朝鮮への)輸出はすべて商務省の認可が条件となっていますし、ミサイルの見地からも、核兵器の不拡散の見地からも、輸出禁止品目が数多くあります。ですから、北朝鮮は本日、テロ支援国家の指定を解除されましたが、それによって、このプロセスを進めるに当たっての影響力が全くなくなるわけではありません。ありがとうございました。
マコーマック報道官 ポーラ・デサッター次官補、どうぞ。
デサッター次官補 高さが調節できる演台が必要なようですね。それがあれば私も彫像のように立派に見えるのですが。
マコーマック報道官 用意しましょうか。
デサッター次官補 マコーマック報道官が先ほど言ったことは、その通りです。検証者も含め、私たちが求めていたすべての検証の要素が、北朝鮮から入手したさまざまな文書や北朝鮮との合意に含まれていました。
これは大きな躍進ですが、それは、私たちが求めてきた検証手段が新しいからでも、独自だからでもありません。あらゆる(検証)体制、あらゆる種類の問題には、それが生物材料であれ、核分裂性物質であれ、それぞれ違った要件があります。問題は、検証でどのような問題を解明しようとしているのか、そして関係各国の権利と責任をどのように構築すれば検証合意を履行する道が開けるかということです。
軍縮とその検証を経験したことのある、世界のほとんどの国が気にも留めないようなことについて、ここでは合意しているわけで、それは試料採取、未申告の施設や文書をどう処理するか、そしてどのように試料を国外に持ち出すかといったことなのです。これらは過去の検証でも行われてきたことばかりで、何が躍進なのかというと、これらすべての要素についてようやく北朝鮮の合意を取り付けたということなのです。そして繰り返しますが、キム大使が手渡せるものは、きれいにリボンがかけられたものではありません。しかし、これらの要素について合意が成立しており、それが大変重要なのです。これは非常に大きな前進なのです。
マクナーニー氏が言ったように、これから多くの作業が必要になります。困難な仕事になるでしょう。リビアやその他に対する検証法案にかかわったことがある人はご存じでしょうが、検証者は、本質的に、また仕事の内容からして、疑い深くなるものです。私たちは、誰も信用しません。私たちはデータを調べたいのです。仕事がしたいのです。相手側が自発的に協力してくれれば、この作業はかなり協力的に進めることができることも分かっていますので、そのようなやり方で進めることができることを願っています。
合意のうち、私が重要だと思うことのひとつは、査察にはすべての関係国が参加できることであり、査察官たちをチームに編成して、それぞれが持っている特質、技能、能力を活用できるようにしようと当初から計画していたのですが、その道が開けたと思います。
もちろん私たちは、皆さん同様、きれいなリボンがかけられたものを望んでいます。しかし、ようやく、私たちが望むすべてのことについて合意を得るという、大きなことを達成しました。国務長官はこれが達成されなければ指定解除は無いと、確信していたと思います。そこで私たちは、検証者として必ずしも楽観的ではありませんが、非常に慎重になりながらも楽観的で、検証者はこれから多くの仕事をしなければならないことを強く自覚しています。それでは、この後何か質問があれば、どうぞ。
問 質問してもよろしいですか。
マコーマック報道官 はい、それでは、質問をお受けしましょう。
問 ここで関連した質問をしてもよろしいですか。それでは2つほど、具体的な事柄へ移っていく前に、一般的な質問をさせていただきます。ひとつは、北朝鮮が実際に検証手順に合意するという確信がなぜ持てるのですか。この合意、北朝鮮との成文化された合意、そしてそれに関連する了解事項は、すでに中国に渡していますか。彼らは前向きですか。実際にこの手順に合意すると確信していますか。
2つ目は、指定解除が行われた今、北朝鮮からは、寧辺の核施設の再稼働に向けての活動を中止た上で、無能力化計画の履行に再度取り掛かる確約を得ているのですか。
マコーマック報道官 まず私からざっと回答し、それからキム大使に答えてもらいます。
まず第1の質問についてですが、これは合意です。米国は、この交渉において、ほかの4カ国の、いわば交渉窓口だったのです。しかし6者協議の主要原則として、すべての合意は、すべての関係国が合意し、保証しなければなりません。ですから、これはもはや単に2カ国間の合意ではありません。現段階では米朝の合意ですが、次のステップで、6カ国でこの合意を正式なものとし、その次に、すべての国が合意したら、これを履行することになります。それから、北朝鮮の行動という点については、私が読んだ声明では、北朝鮮は即時に無能力化活動を完了させる作業を開始することに合意した、となっています。
問 しかし…。
マコーマック報道官 それではキム大使から話してもらいましょう。
問 これは、北朝鮮が国際原子力機関(IAEA)の査察官の核施設への立ち入りを再び許可するという意味ですか。
キム大使 ありがとう。2国間の合意や取り決めを6者協議のプロセスに持っていくのはこれが初めてではありません。今までうまくいっており、今回もまた米朝間の合意、つまりパッケージが6者協議で最終決定され、採択されると確信しています。
あなたが指摘した了解事項は、非常に踏み込んだ協議を経て合意に至り、その後はニューヨーク・ルートでの話合いを通じて再確認されたものです。ですから米国とほかの関係5カ国は、このパッケージを6者協議の検証手順とすることができると確信していると思います。
問 では、今どういう動きがあるのかという質問に対してはどうでしょう。
キム大使 ええ、北朝鮮は、寧辺での無能力化活動を即時再開することを約束しました。実際、私たちは、北朝鮮政府が声明を出すと期待しています。その確かな時期までは分かりませんが、間もなくだと思います。
マコーマック報道官 では、グレンさん。
問 それでは、具体的な質問をひとつと一般的な質問をします。最初に、申告された施設は約15カ所あり、ほとんどが寧辺にある施設で、いくつかが大学の施設だと理解しています。核実験施設や軍事施設は含まれていません。つまり、核実験施設や軍事施設への立ち入りについて北朝鮮が今でも拒否権を行使することができるということですか。
それから一般的な質問ですが、「悪魔は細部に宿る」などと言います。検証要素についての広範な合意は興味深いものですが、7月に提示した実際の文書には、米国側が求めていたさらに多くの具体的事項が含まれていました。これらの具体的事項は必ずしもここに盛り込まれていないようです。しかも、多くの外部の専門家や、中には米国政府関係者の中にさえ、この合意は、今から100日後に新しい政権が発足するまで、何とか6者協議の命脈を保つことだけを目的とした皮肉な努力で、その後は破たんするだろうと言っています。実際、マケイン上院議員は昨夜、かなり手厳しい声明を出して、彼が言うところの、この合意のための合意では、日本の利益が無視されたと批判しました。
こうして広がってきている批判にどう対応するのか、そして正確にはどれが申告された施設なのかという具体的な質問に答えていただきたいと思います。
マコーマック報道官 分かりました。それでは…。
デサッター次官補 申告された施設については私がお答えします。皮肉な努力はしませんけど。
マコーマック報道官 では、まず私が、ライス国務長官とブッシュ政権が、6者協議プロセスを前進させようとしている中で、このプロセスがどう動くと見ているか、広い視野からお話しましょう。
ライス長官は、2009年1月20日までは、国益を守る良き責任者として行動し、この国の利益に最もかなうような、そしてこの国の安全保障と外交政策における利益にかなうように行動することが私たちの責任である、と強く感じています。1月20日までは、原則を曲げることなく、これを実行し続け、次期政権に責任を委譲します。ですから、それを念頭に置いて、この合意を結んだのです。
私は、重要な要素についてもう再度触れなければなりません。詳細については、デサッター次官補と、そしておそらくキム大使からも話してもらえると思います。私たちが求めてきたすべての検証要素が、この一括合意案に盛り込まれています。いくつかの詳細については、デサッター次官補が話してくれますが、キム大使からも、先ほど話に出たことの詳細について説明してもらいます。
問 しかし、私たちは…。
マコーマック報道官 ファクトシートですが、配布したファクトシートは、大変大まかな分野についてのもので、デサッター次官補とキム大使はその詳細について話をしてくれると思います。政治的駆け引きについては、ここでは話しませんし、選挙運動の話もしません。
しかし、米国が、原則を曲げることなく、最終的には朝鮮半島の非核化という目標を達成するために役立つと考えなければ、国務長官と大統領は、このような決断は下さなかったと思います。そして、はっきりしているのは、もしこのプロセスが完了するとすれば、私たち以外の人間がこれを終了させなくてはならないということです。残された時間は3カ月と少しです。繰り返しますが、これは米国の根本的な国益にかなった原則に基づく決断なのです。
ではデサッター次官補、詳細を説明してください。
デサッター次官補 それでは、未申告の施設に関する双方の合意の文言について説明します。まず、この場合特に重要なのは、未申告の施設への立ち入りが可能だということです。申告された施設だけでは、北朝鮮の核開発計画の全容を把握するには不十分であることが分かっています。
ですから、双方の合意という用語については、多くの人がちょっと考えて、北朝鮮には拒否権があるだろう、と言うでしょう。皆さんに再度申し上げますが、ヒル次官補と何回か話し合った事柄のひとつとして、私の局の検証者の誰1人として、不意打ち査察や、時や場所を選ばない査察が必要だとは言わないだろう、ということがあります。なぜなら、それは間違った安心感を与えることになるからです。これは、大した意味を持ちません。
忘れないでください。検証活動を行う場合は、多分ひとつの例外を除いて、権利を持っている別の国に行くことになります。一般論ですが、ある場所へ行きたいとすると、受け入れ国に交通手段を提供してくれるように頼むことになります。受け入れ国が付添い人を用意することになります。核施設に行く場合に、必要に応じて施設に立ち入ることができるようにするのも受け入れ国です。こういったことがすべて必要です。ですから、双方の合意というのは、私たちにとって、拍手喝さいするほど素晴らしいものではありません。これについての私の考え方のひとつとして、私たちには、さまざまな種類の未申告施設があることが分かっている、ということがあります。私たちにできることのひとつが現地調査です。
しかし、核施設について私たちが知っていることをすべて明かすように求められる協議をしなければならないような状況は好ましくありません。できるだけ専門家としてふさわしいやり方で処理する必要があるでしょう。そして、ある国に対して、現地調査をしなければならない場所を示して、調査を行った経験もあります。その調査を行ったら、申告を必要とするかどうかを検討しなければなりません。そして検証作業を行う必要があります。その過程は段階的ですが、米国が北朝鮮やその他の国へ行って、どこそこへ行くと告げ、その国の意向などお構いなしに米国のヘリコプターが明日そこに飛ぶ、という具合にはいきません。そういうやり方はしていないのです。
ですから双方の合意については監視する必要があるでしょう。北朝鮮と検証についてさらに具体的な事項を話し合う際には、私たちがやろうとしていることを相手が理解しているように留意します。繰り返しますが、今までにこういった経験のない国との間で、明確に意思の疎通を図らなければなりません。
皆さんのほとんどはまだお若いので、中距離核戦力全廃(INF)条約にかかわったことはないと思いますが、私は違います。そして、例外も1人いらっしゃいますね。しかし、INF条約の一部は…それまでにそのような事例はひとつもありませんでした。ですから、ソ連は決して私たちが考えていた現場での査察には同意しないだろうと言われたのですが、ソ連側はそれに同意しました。それはとても大きな決断でした。時と場合によっては、現場での査察が問題解決につながらないことがあります。それが不可欠な場合もあり、私たちは今回の場合がそれだと確信しています。
問 はっきりさせておきたいのですが、核実験施設は申告された施設には含まれていないのですね。米国が核実験施設に立ち入ることができるという何らかの了解はありますか。
デサッター次官補 単にそのことについての話をしなかったということです。つまり、私たちが立ち入りを希望している場所のリストを北朝鮮に渡していないということです。もちろん、私個人のリストでは優先順位が高くなっています。
問 北朝鮮の申告リストにはなかったのですね。
デサッター次官補 そうですね、実はその点はあいまいで、核実験施設での原料費は申告されています。では、施設として正式に申告されているかと言えば、その答えは「ノー」です。でも間接的には申告されています。ですから調査対象になるでしょう。
キム大使 ファクトシートに記載された情報は、言うまでもなく合意の概略です。私が思うに…。
問 実際の合意を見ることができますか。
キム大使 いいえ、まず6者協議で合意する必要があります。でも検証案が…。
問 (聞き取り不能)
キム大使 はい。それはいいですね。検証パッケージが、できれば早いうちに6者協議で最終決定され、採択されたら、あなたも検証手順が前のバーションと実質的に同じであることが分かるようになると思います。
マコーマック報道官 はい、どうぞ。
問 はい。もし北朝鮮が検証についての約束を果たさなかったら、どうなりますか。再びテロ支援国家に指定されますか。また約束を履行しなかった場合のために、懲罰的措置案が用意されていますか。
キム大使 北朝鮮が約束を履行しない場合についての推測はしたくありません。私たちは、この合意を6者協議で合意した手続きとする、という次の段階に集中する必要があると思います。北朝鮮は検証活動に協力することを義務付けられています。実際、北朝鮮は申告書で、検証活動に全面的に協力すると述べています。何度も議論を行う中で、北朝鮮は、検証活動に全面的に協力する用意があることを明言してきたので、私たちは約束を実行するように促します。
デサッター次官補 少し補足させてください。もう少し詳しく説明します。皆さん、米ソ戦略兵器削減条約(START)を覚えていますか。
問 はい。
デサッター次官補 STARTが締結されたとき、大変細かいところまで取り決められていて、複雑で、内容が厳しかったので、問題が起きることは私たちには分かっていました。私たちは甘くはありません。検証者ですから、そうならないよう務めています。ですから、これはひとつには…つまりまず第一に、北朝鮮側と直接話し合って、どのように検証を実施していくかを少し説明することになると思います。通常、彼らと一緒に取り組むに当たってひとつの方法があるとすれば、また別の方法もありえます。リビアの問題では、そういう経験をしました。
さて、リビアの場合は、検証作業をより迅速に、より容易にできるように努め、最終的には、リビアが取り決めに従っていることを米国と英国が認定することができるようにしましたが、今回の合意が最善の方向に進めば、北朝鮮もリビアの例に倣うことでしょう。しかし、行く手には何も障害がないと予測すべきではありません。北朝鮮でこの作業を行った経験はこれまでにないのですから、困難なものになるはずです。それでも、私たちは、道を切り開こうとしていますし、皆さんにはお分かりでしょうが、ここにある文書が前進への道筋を付けるものではない、と私が感じたら、おそらく私はここにこうして立っていないだろうと思います。
問 あなたの以前の上司のジョン・ボルトン氏は、米国がこの決断を下したことに大変腹を立てています。ボルトン氏の批判にどう答えますか。
デサッター次官補 私のこれまでの上司は、あらゆることに関して、ほとんどの場合、正しいことを言っています。…などということはありません。ボルトン氏は典型的な疑い深い政策決定者で、それは間違いではありません。誰かがこれを取り上げ、これに異議を差し挟むべきであると言ってほしくないと、国務長官が思っているとは考えません。できるだけ良い仕事をするように、私たちは圧力をかけられるべきです。
実は、私が検証を担当したときの最初の上司を定期的に呼んで、私たちの仕事ぶりや、私の仕事ぶりをチェックしてもらっています。ただ、そんなに頻繁にはしていません。何か言われたら泣いてしまいますから。私たちは皆、向上することができますし、こうした外部からの声に耳を傾けることが重要です。そのようにして、できるだけ良い仕事をしようと心がけています。
問 ソン・キム大使に質問しても良いですか。
問 現場の査察官から、無能力化活動の再開へ向けた実効的な措置が取られているという報告はありますか。ここ数日間、現場の米国査察官がどうしているのか、全然分かりませんが。
キム大使 米国査察官はまだ現場に残っていて、監視活動を再開する準備を整えています。北朝鮮から取り付けた約束は、この発表の後、出来る限り早く無能力化活動を再開するということです。ですから、今週末にも何らかの行動が見られるのではないかと期待しています。
マコーマック報道官 では、どうぞ。
問 はい。おそらくマコーマック報道官に答えていただけると思いますが、少し戻って、いつ大統領がこれを承認したのか、いつ国務長官がこの建物の上の階でこれに署名したのかを教えてください。この文書は…。
マコーマック報道官 分かりました。時刻は正確には分かりません。大統領は、昨日の午後遅く、夜の早い時間に、この問題を前進させる決断を下しました。国務長官が署名したのは今朝の7時半を少し過ぎたころだったと思います。
問 署名をしたのはこの建物内ですか。
マコーマック報道官 いいえ、国務長官の自宅だったと思います。
問 マコーマック報道官。
マコーマック報道官 はい。
問 次の6者協議は閣僚会合になるという可能性はありますか。そうでなければ、閣僚会合を年末までに開くことを想定していますか。
マコーマック報道官 首席代表会合になる予定です。
キム大使 その可能性が高いでしょう。
マコーマック報道官 おそらく首席代表会議になるでしょう。今後閣僚会合が行われることも否定できませんが、現時点ではその予定はありません。
問 試料採取に関する合意について詳しく説明してもらえますか。皆さんが理解しているところでは、米国査察官が試料を北朝鮮から持ち出すことになりますか。
デサッター次官補 ええ、ここに持ってきた水がありますよ。これは私たちにとって大変重要な取り決めです。試料採取は、言わば標準運賃みたいなものです。IAEAは常に試料採取を行っています。IAEAが行うのは…私たちが核施設で知ろうとしているものは、ひとつには、どんな核物質がそこにあるのか、過去にそこに何があったのか、何が進行中なのか、ということです。ですから試料を採取したら持ち帰って、空軍技術応用センター(AFTAC)を利用します。ここはIAEAの仕事も行っています。素晴らしい研究所で、現場では到底不可能なとても専門的な分析を行っています。
ですから合意には試料を採取して自国へ持ち帰るということが含まれています。合意には、文書を入手して持ち帰ることも含まれています。全般的にさまざまな要素について優れた専門家がいますが、北朝鮮では非常に複雑な文書を読んで、それが意味するところを分析することはできません。
これはパズルを解くようなものになると思います。最終的には、北朝鮮が申告していなかったものを見つけたら、それを申告書に含める必要があると言えなければなりません。これは双方向のプロセスです。そういうことで、これらの分析は持ち帰って、次の段階は何か、次に確実に処理しなければならないものは何かを知る手がかりにする必要があります。
問 つまり持ち帰りたい試料はすべて北朝鮮から持ち出しができるということですか。どんな試料であろうと、持ち出しを阻止する権利は北朝鮮にはありませんか。
デサッター次官補 北朝鮮は試料の持ち出しに合意しています。
問 すべての試料持ち出しに合意していますか。ファクトシートでは表現があいまいなのですが。
デサッター次官補 私の理解では、試料と言えば、試料全部のことです。あなたの質問を聞いてすぐに思ったのは、もしそれが本当に大きくて重たいものなら、何か方法を講じることになるだろう、ということです。しかし計画では、試料を採集して、分析するために米国、あるいは別の国に持ち出すことになっています。
問 この件では、IAEAと連携して仕事をすることになるのですか。IAEAが再びこの問題に関与することになるのですか。それとも厳密に6カ国の査察官だけが行うのですか。
デサッター次官補 ええ、IAEAも検証に参加します。それは大変重要なことです。なぜなら、最終的に私たちが目指すものは、北朝鮮、朝鮮半島の非核化だからです。ですから最終的には、IAEAは、以前は北朝鮮に存在した(核兵器)材料が除去された状態にしなければなりません。これを実現するためには、IAEAは情報を入手しなければなりません。そしてIAEAは、寧辺(の核施設)について多くのことを知っていますから、何をすべきかという助言や提案をしてもらうことは大変重要になるでしょう。これについては、マクナーニー氏から付け加えることがあるかもしれません。
問 IAEAの役割が変わったとすれば、どのように変わったのですか。というのも、ここには助言や支援を行うと書かれています。これは今までやってきたことと違うのですか。
マクナーニー氏 現在IAEAが行っていることは、基本的に、寧辺の核施設の閉鎖と封印の監視だけです。合意の第2段階では、無能力化活動を開始することになっていて、IAEA査察官がこれを監視していますが、それは第2段階合意には含まれていませんでした。私たちは、この文言を通じて、第3段階ではIAEAと極めて密接に協力して作業を行うことを期待しています。この合意ではIAEAの標準的な役割を定めていませんから、この点を明確にしなければならないと考えています。しかし、それは、6カ国が実際の検証作業を行っているからです。
その上で、当然私たちの目標は、IAEAを私たちの活動にできる限り統合することですが、この合意には、一般的に規定されたIAEAの作業プロセスはありません。付け加えれば…。
問 IAEAの関与の度合いは低下するのですね。
マクナーニー氏 いいえ、この時点では、IAEAの関与の度合いは変わらないと思います。彼らは現場に残ります。先ごろ北朝鮮が彼らにビザを再発行したので、現場に残ることになるでしょう。彼らをできる限り私たちの作業に統合したいと思っています。この作業が終了する時点の重要な要素は、北朝鮮が国際的な核不拡散体制に復帰するためには、北朝鮮はIAEAのお墨付きを得なければならない、ということです。それは、このプロセスの終わりでも、途中でも、開始時でも良いわけです。私たちはIAEAを全面的に統合したいと望んでいます。
試料などの持ち出しに関することで少し付け加えます。合意では試料の持ち出しを義務付けています。無能力化と同様、こちら側の検証者が自分たちの機器を持ち込んで、施設に立ち入ることを求めています。その上で、私たちは常に、機材の持ち込みや適切な文書の入手について調整するといったある種の手続きを踏んでいます。ですから、仕事を進める上で私たちはこうした手続きをすべて経ることになりますので、国際的検証体制、合意、包括的保障措置合意などについて話をする場合には、こうした手続きを、こういうことを国際的に行う場合の基本となる標準規則のようなものだと認識しておかなければならないと思います。仕事を進める上でこの手続きを何度も経ることになります。
ある国との間に、追加手順を含む保障措置合意があったとしても、実際に合意を実施していく上で、数多くの段階があります。この合意で終わりではないということを明確にしておきたいと思います。
マコーマック報道官 それでは、あと2つくらい質問を受けましょう。質問したい方は多いと思いますが。
問 どなたか、今後、検証がいつ始まるのか、そしてどれくらい時間がかかると考えているか、スケジュールを教えていただけますか。期限の決まらないプロセスであることは理解していますが、現場に行って仕事を始めるのはいつごろになると予想していますか。
マコーマック報道官 これは誰が答えてくれますか。
キム大使 先ほども言いましたが、次の段階はこの文書を6者協議で最終決定して採択することです。北朝鮮は、このパッケージが6者協議で採択され次第、私たちに協力する用意があると言っています。ですから私たちは、その後すぐに活動を始めたいと思っています。検証活動の期間については、数カ月あるいは1年以上かかるかもしれません。
デサッター次官補 どれくらいの時間がかかるかについては、多分に北朝鮮とその協力の度合いによると思います。リビアの場合は、もともと申告していなかった、私たちが知らなかった施設に連れて行ってくれました。それで進行が早まりました。
この合意のもうひとつの素晴らしい点は、検証活動をプルトニウムや寧辺だけでなく、高濃縮ウランや核拡散活動も対象とすることに北朝鮮が合意したことです。ですから、私たちが行うひとつひとつの要素は追加的なもので、作業をもっと効率的にすると思っています。私たちは、効率的で賢明な検証体制にしたいと思っています。それが誰にとってもより理にかなっているからです。しかし、北朝鮮が、例えば稼動施設のような施設を追加する用意があり、これを進んで行い、そうすることができるならば、核材料は寧辺を離れ、ある時点で爆弾の核になることが分かります。それが1カ所以上の場所で起きていることが分かっています。それがどこなのか、どうすればそこへ行くことができるでしょう。
ですからやはり、何カ所もの核施設で検証を実施し、私たちが発見した関連性のあるものを申告に追加して、最終的にはこう言えるようにしたいと思います。忘れてはいけません。私たちが検証者なのです。仕事が完了したと100%確信が持てることは決してありません。疑問が出てきます。あいまいなこともあるでしょう。私たちにできる最善のことはこういうことです。すなわち、これが私たちが行った活動です。これが私たちが発見したことです。これが申告させた事柄です。これが私たちの分析です。そして、仕事が完了したと、相応の確信を持ちたいと思っています。
その時点で、追加措置が必要かどうかを決めます。リビアの場合には、3カ国間の諮問グループを設置して、継続する問題が出てきたら、それを取り上げる場を用意しました。ですから、おそらく数年はかかるでしょう。ただし、びっくりさせられる展開になることもあり得ます。
問 今の答えについてはっきりさせたいのですが、今年の初めに北朝鮮が提出した申告書は、ほとんどがプルトニウム計画に関するものでした。
デサッター次官補 そうです。
問 これから実施される検証は、基本的にプルトニウム計画から始められるといって差し支えないでしょうか。あるいはウラン濃縮、ウラン濃縮の可能性と、シリアへの核拡散活動にも並行して取り組むことになるのですか。それとも、まずは…。
デサッター次官補 私たちは…。
問 このプルトニウムの申告ですか。
デサッター次官補 プルトニウムから始めます。楽な仕事ではありません。基本的にどこで作られているかは分かっています。分かっていないのは、それがどこへ運ばれているかです。知らなければならないのは、どんな核実験活動をしているかということです。プルトニウムに関してはやらなければならないことが非常に多くあります。ウラン鉱山から産出した時点から、すべての過程を経て核になるまで材料を追跡しなければなりません。ですから、かなり大変な仕事になります。では、それによってウラン計画についても分かるのでしょうか。そう願いたいものです。ですから、困難なことになると思います。
問 しかし…。
デサッター次官補 計画では材料の動きを調べる手法から始め、どこからどこへ運ばれてきたかを追跡することになります。それが最も理にかなっていると思います。あれこれ探りを入れることはしません。
問 分かりました。では、当面ウラン濃縮と核拡散は、重要性においては2次的ということですね。
マクナーニー氏 そうは言っていないのですが…そうですね。
マコーマック報道官 最後にもうひつ質問に答えます。
マクナーニー氏 重要性において2次的だとは言いません。例えば、核拡散に関して国務長官が提示した重要な要素のひとつは、核施設に立ち入り、人々から話を聞き、文書を閲覧することが認められなければならないということです。そして立ち入りや閲覧を始めたり、記録を作成し始めたりすると、核材料の拡散があったのか、人々が北朝鮮国外で何らかの種類の活動に携わっていたかを判断し始めます。ですから、それらすべてがこの大きなプロセスの一部になります。ウラン濃縮についても同様で、関係者等と話をするようになると、すべてのことについて質問をします。しかし明らかに、私たちすべてが認識している最大の計画はプルトニウム計画で、それから始めるのは、筋が通っています。
マコーマック報道官 ほかの質問は…。
キム大使 ちょっと、すみません。ひとつはっきりさせておきたいのですが、どのような手順で行うか、検証活動をどう実施するかという点で、これが全面的に2国間での取り組みであるような印象を与えたくありません。6者協議の参加国と協議する必要があると思います。これは6カ国による取り組みです。
マコーマック報道官 最後の質問です。
問 (聞き取り不能)平壌で交渉していたとき、第一に、交渉において軍がどのような役割を担っていると感じましたか。朝鮮人民軍(KPA)の将軍と会合を持ったようですが、私の印象では、軍は、少なくともこれ以前は、6者協議の一環としての会合には消極的だったようです。それが変化して、軍は以前より関与を強めたよう見えます。
2番目は、金正日は関与していたと考えますか。彼は指導者としての役割を果たすことができており、状況を把握していたという感触はありますか。それも交渉過程の一部だったのですか。
キム大使 私たちは北朝鮮外務省ならびに原子力総局と直接交渉しています。マクナーニー氏も言っていますが、北朝鮮は今でも非常に不透明な国です。北朝鮮がどのように意思決定するか、正確には把握していません。ですから軍の役割を推測することは簡単ではありません。今回の訪朝では、ヒル大使が確かに将軍の1人と会合を持ちました。そこで実質的な会談を行ったものと思います。しかしご存知のように、軍が交渉で何らかの役割を果たしたかどうか、果たしたとすればどのような役割だったかを推測することは困難です。さらに、北朝鮮指導者の健康に関する推測も簡単ではありません。北朝鮮から実質的な回答が得られないことが一時期あったことは事実です。
問 ヒル大使と言えば、今どこにいますか。
マコーマック報道官 ヒル大使ですか。
問 今日、ここに出席していないとは驚きですね。
マコーマック報道官 キラ星のような人たちがそろっていますよ。
問 そうですね。
マコーマック報道官 実際…。
問 ここにいらっしゃる方々がどうこうと言うわけでは…。
マコーマック報道官 実際、検証に関する規定についての交渉窓口はキム大使です。もちろんヒル大使が首席代表ですが、前回キム大使がここでブリーフィングを行った時には、箱いっぱいの書類を持ってきていたことを覚えていると思います。それからも分かるように、キム大使はこの検証関連規定には深く関与していますので、ほかの方々に加え、彼がここに出席していることは全く当然のことなのです。
問 いいえ、キム大使たちがここにいるのが、不適切だと言っているのではありません。
マコーマック報道官 ええ。
問 ただ、この全体のプロセスの顔ともいえる人物がなぜここにいないのか、その理由を知りたいだけです。
問 (聞き取り不能)報道陣と会見する機会があった…。
マコーマック報道官 ええ、彼は首席代表ですが、キム大使が1行、1行、1語1語たんねんに取り組んだ成果…。
問 罰を受ける前でさえも…。
マコーマック報道官 その通りです。皆さんとの会見では報われないですからね。今朝はお越しいただき、ありがとうございました。


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