
米国国務省報道官室
2007年11月26日
気候変動は、地球全体での対応を必要とするほど規模が大きく範囲が広い、深刻な課題である。米国は、エネルギー安全保障を強化し、気候変動の問題に効果的に対処するために、国内外でさまざまな活動に取り組み、自らの役割を果たすことに専心している。米国は、国連気候変動枠組み条約(UNFCCC)に深く関わっているとともに、気候変動に対処するために、環境保護に効果があり、経済的に持続可能な2012年以後の枠組みを設けることに尽力している。米国は主要経済国を含むパートナー諸国と協力して、革新的な技術の採用や展開を促進し、UNFCCCの下での新たな枠組みについて、2009年までに合意に達することができるよう活動している。
主要経済国プロセス 米国は2007年9月に、世界の主要経済国17カ国と国連を招いて、「エネルギー安全保障と気候変動に関する主要経済国会合」の第1回会合を開催した。この会合では、温室効果ガス排出量の削減、エネルギー安全保障の確保、経済的繁栄に対する支援の方法について有益な意見交換が行われた。建設的に協力することにより、主要経済国はUNFCCCの下での2012年以後の枠組みについて、2009年までの合意形成に向け、細かいところまで行き渡った貢献をすることができる、と米国は考える。第2回会合については、現在計画を策定中である。
米国の気候政策はより広い範囲の持続可能な開発に関する行動計画の一部である 開発途上国が経済成長とそれぞれの国民の健康、教育、その他のニーズを満たすことに重点的に取り組んでいることは正当である。米国は、気候政策がこのような優先課題を認識し補完すべきものであると考えており、エネルギー・サービスの近代化により開発途上国の貧困を緩和し経済成長を促すことを目的としたパートナーシップを何十件も立ち上げ、これに参加している。国際社会は温室効果ガスの排出量を削減しなければならないが、そのためには経済成長を促進し、各国がその国民により大きな繁栄をもたらすために役立つような方法を取らなければならない。
意欲的な短期的国内政策 2000年から2005年までの間に米国の人口は5%(1400万人)、国内総生産(GDP)は12%(約1兆2000億ドル)増加したが、米国の温室効果ガス排出量は1.6%しか増えなかった。最新の予測データによると、2005年から2006年にかけて米国経済は2.9%成長したが、わが国のエネルギー関連の二酸化炭素排出量は1.3%減少した。これは、キャップ・アンド・トレードの排出権取引制度を持つ多くの国と比べても遜色(そんしょく)がない。米国は、国内の排出量を削減するために、強制的プログラム、奨励プログラム、任意プログラムなど数十件のプログラムを含むさまざまな政策措置を行っている。その一例を以下に挙げる。
- エナジースター(ENERGY STAR)プログラムにより、2006年の排出量が1億3500万二酸化炭素換算トン減少した。
- 国内メタン・プログラム(Domestic Methane Programs)により、2005年のメタンガス排出量が1990年の水準よりも11%減少した。
- 軽トラックの燃料効率向上(Fuel Economy Increase from Light Trucks)プログラムは、この新たな規則の対象になる車両について、その耐用年数の全期間にわたり排出量を1億300万二酸化炭素換算トン削減するものである。
- 大統領が提案した「トゥエンティ・イン・テン計画(20 in 10 Plan)」は、代替燃料および再生可能燃料を使うことによって、乗用車、軽トラック、スポーツ用多目的車(SUV)からの二酸化炭素排出量の増加を減速させ、将来的には増加を止めるものである。
科学技術への比類なき投資 米国は、温室効果ガスの排出を削減または防止する、あるいは温室効果ガスを隔離することが可能な先進技術の開発を主導している。ブッシュ大統領はこれまでに、気候変動に関連した科学、技術、観測、国際援助および奨励プログラムに多額の予算を要求してきており、連邦議会はその要求に応じてきた。その金額は2001年以降で370億ドルに上る。こうした資金拠出の主な対象プログラムには次のようなものがある。
- 気候変動科学プログラム(Climate Change Science Program: CCSP) 気候変動に関係する科学に対する公共投資を監督し、13の参加省庁が主催する気候変動に関する科学研究を調整および統合することを目的に2002年に設立された。
- 気候変動技術プログラム(Climate Change Technology Program: CCTP) よりクリーンな未来を推し進める太陽エネルギー、バイオ燃料、水素、高性能電池、ニア・ゼロエミッション(温室効果ガスをほとんど出さない)の石炭、原子力、炭素隔離などの転換技術の飛躍的前進を促すために設立された。2003年から2006年まで、気候変動関連の技術プログラムに毎年30億ドル近くを投資しており、2008年度は39億ドルを提案している。
革新的な国際的取り組み 米国は、現実的な目標を掲げた官民パートナーシップを通じて温室効果ガスの排出量を削減し、エネルギー安全保障を向上させ、有害な大気汚染を軽減するために、さまざまな解決策を積極的に追求している。2002年以降に開始された2国間および地域間の気候変動パートナーシップは15に上る。これらに加えて、米国は低炭素発電(クリーンコール技術および先進的原子力技術を含む)、輸送(自動車用のバイオ燃料、電池、水素といった技術革新がある)、エネルギー効率(産業および家庭を対象)、土地利用(違法伐採対策など持続可能な森林管理を推進)などの主要分野で、パートナーシップを組んで取り組んでいる。こうした事例には以下のものがある。
- メタン市場化パートナーシップ(Methane to Markets Partnership: M2M) パートナーである20カ国と欧州委員会のほか、600を超える多数の民間部門およびその他の政府・非政府機関のメンバーが参加しており、2015年までに毎年最大1億8300万二酸化炭素換算トンのメタンを回収することができる。
- 炭素隔離リーダーシップ・フォーラム(Carbon Sequestration Leadership Forum: CSLF) パートナーである21カ国と欧州委員会が参加するCSLFは、19件の炭素隔離・貯蔵プロジェクトのほか、炭素隔離での国際協力の指針となる技術ロードマップを承認した。
- 水素経済のための国際パートナーシップ(International Partnership for the Hydrogen Economy: IPHE) パートナーである16カ国と欧州委員会は、水素および燃料電池技術の研究開発と展開を進める一方、水素利用の共通規約の策定に取り組んでいる。
- クリーンな開発と気候に関するアジア太平洋パートナーシップ(Asia-Pacific Partnership on Clean Development and Climate: APP) 大統領が主導したこのプロジェクトでは、パートナーである7カ国(オーストラリア、カナダ、中国、インド、日本、韓国、米国)の政府や民間部門が、クリーンエネルギー技術の展開の促進と、エネルギー、クリーン開発および気候問題に関する目標の達成に取り組んでいる。APPの成功例には以下がある。
- 米国のエナジースター・プログラムで使われているものと似た新しいエネルギー効率ラベルを中国で使うことによって、中国の消費者によるエネルギー効率に優れた電気機器の使用を促すことが期待される。APPが調整したこの活動により、炭素排出量が年間1770万二酸化炭素換算トン削減できると予想される。これは道路から自動車300万台がなくなることに相当するが、テレビのセットトップボックスというわずか1種類の電気機器で、これだけの排出量を削減することになる。
- APPの民間パートナーであるソーラー・タービン社は、中国人パートナーと共同で、中国のコークス産業に35メガワットのクリーンエネルギー技術を提供する装置を特定して設置した。当初の予測では、すべての装置が稼動すれば排出量が年間約41万二酸化炭素換算トン削減できることになっている。
- 米国のエナジースター・プログラムで使われているものと似た新しいエネルギー効率ラベルを中国で使うことによって、中国の消費者によるエネルギー効率に優れた電気機器の使用を促すことが期待される。APPが調整したこの活動により、炭素排出量が年間1770万二酸化炭素換算トン削減できると予想される。これは道路から自動車300万台がなくなることに相当するが、テレビのセットトップボックスというわずか1種類の電気機器で、これだけの排出量を削減することになる。
将来に備えて 米国は国内外で、気候変動とエネルギー安全保障という課題に対する現実的な解決策の策定と実施に取り組んでいる。私たちは「バリ・ロードマップ」の策定を支持しており、主要経済国プロセスと共に、気候変動に関する新たな2012年以降の枠組みのための国際的な合意を2009年までにUNFCCCの下で形成するために力を尽くしている。気候変動に対する米国の取り組みに関するさらに詳しい情報は、http://www.state.gov/g/oes/climateに掲載している。


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